今から75年前の1946年8月12日、「National Air Museum(国立航空博物館)」が設立されました。現在の名称は「国立航空宇宙博物館」で、スミソニアン博物館の1つで航空・宇宙関連で充実した展示を誇ります。アメリカの首都ワシントンDCにあるこの博物館には本館、別館があります。
本館の収蔵品には、「ベルX-1」、最近話題になったヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅行の原型機「スペースシップワン」などが展示されています。X-1は、2020年12月に永眠したチャック・イエーガー退役准将が世界で初めて音速を突破した機体です。スペースシップワンは、2021年7月にスペースシップ2「VSSユニティ」で旅客を乗せ、宇宙空間へ試験飛行した原型機です。
ワシントン・ダレス国際空港に隣接する別館には、ロッキードSR-71ブラックバード、スペースシャトル「ディスカバリー」などの実機が展示されています。SR-71ブラックバードはステルス性の高い機体で、工場から変な臭いがすることが由来し、施設名「スカンク・ワークス」とふざけたネーミングで、世間を騙す極秘プロジェクトの代表例の1つを間近に見学できます。
さらに最近の話題では、スター・ウォーズシリーズの「Xウイング・スターファイター」が加わることとなりました。スターファイターは2022年5月5日(木)に博物館のリニューアルオープン以降、別館のレストア専用ハンガーでの作業風景が見学できます。作業終了後は、本館の外に長期展示される予定です。
国立航空宇宙博物館の本館は、ワシントンDCの中心部で国会議事堂前の広場「ナショナル・モール」の一角にあります。別館の「スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センター(Steven F. Udvar-Hazy Center)」は、ワシントン・ダレス国際空港に隣接した場所にあります。コロナ収束後、「スターファイター」をはじめ、伝説の名機たちの見学に訪れる計画を立ててみてはいかがでしょうか。
なお、コロナ禍で見学は中止されていますが、本館、別館とも施設の一部をオンラインで見学できます。行ったことがある方はその思い出の振り返りに、訪れたことのない人は今後の訪問見学のための予習に覗いてみてはいかがでしょう。