#588 (I437) 新鋭機就航が遅延を誘発するホーチミン空港の裏事情 - ベトナム航空 口コミ・評価

【リマークス】
ベトナム航空の臨時便でフーコック島からホーチミンへ帰還。日付を跨いで飛ぶベトナム国内線は臨時便ならでは。
【搭乗クラス】Y
【座席(シート)】11B
【機材番号】VN-B223
【機材】ATR-72-500 (ATR-72-212A)
2009年12月 初飛行、2010年01月 ベトナム航空 登録、2016年07月現在現役続行中
【航空フォト】
【エンジン】2 x PWC PW127F
【機材コンディション】問題なし
【出発時刻】23:55
【到着時刻】01:00 +1
【機内食・ドリンク】ミネラルウォーター 1本
【機内スタッフ】アオザイ美人
【エンターティメント】機内誌 “HERITAGE”
【トイレ・洗面台】不使用
【空港サービス】
【区間マイル】187

【トピックス】
昨今ホーチミン国際空港の出発到着遅延が頓に目立つようになってきたと感じていたのですが、その原因の一つが航空各社が満を持して続々と投入する新鋭機によるもの、との関係者談を紹介させていただきます。

その背景は、ホーチミン国際空港の滑走路の構造・規格にあります。同空港には2本の滑走路（07R/25L=3,800mと07L/25R＝3,048m）があり其々大型機が発着するに足る滑走路長を有していますが、問題は滑走路長でもILS等着陸誘導設備等の優劣でもなく、滑走路の地盤の強弱、即ち07R/25Lは地盤が強固、07L/25Rは前者と比較すると軟弱なことが要因の一つだそうです。

その上で、では何故 航空機の諸元の違い、新鋭機就航が離着陸の遅れに影響を及ぼすのか？その因果関係については、航空機を支える車輪の数と一輪当たりの荷重が密接に関係しているそうです。どういうことかと言うと、大型新鋭機（話を聞いた関係者はB787を引き合いに出していた）は一輪当たりの荷重が大きいため、地盤強度が足りない07L/25Rはその荷重に耐えられない、即ち着陸に供することができないらしいのです。重荷に耐え得る07R/25Lがbusy（2本の滑走路の内1本しか着陸に使えない）の場合は上空待機を強いられ、斯様な制約の中その余波を受けて、後続機の遅延の連鎖になっているそうなのです。
非常に興味深い話でした。

自分でも少し調べてみたのですが、ベトナム航空の主力中型機A321-200の輪荷重は220(kN)、昨今まで同社が保有する最大機種だったB777-200の輪荷重は190(kN)であるのに対し、同社が精力的に導入する最新鋭機 A350-900のそれは何と309(kN)、日本航空がホーチミン線にアサインした新鋭機B787-800は256(kN)と、旧来機と新鋭機の輪荷重の差は歴然としており、上記の説明を裏付ける結果となっています。
=データソース=
https://www.scopenet.or.jp/main/purchase/kaitei/120418/kuukou%20kouzou%20huroku1204.pdf

快適な空の旅を提供する筈の新鋭機が、逆に定時発着に悪影響を及ぼしているとは何とも皮肉な現象ですね。