2017年帰国旅行3便目-倒産を乗り越えて今も頑張るスイス航空 - スイスインターナショナルエアラインズ 口コミ・評価

航空会社 スイスインターナショナルエアラインズ

2014年09月06日に撮影されたスイスインターナショナルエアラインズの航空機写真

© ヘキサゴンさん

スイス
IATA | ICAO
LX | SWR
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
2017年帰国旅行3便目-倒産を乗り越えて今も頑張るスイス航空

航空会社
スイスインターナショナルエアラインズ
便名
LX788
エコノミー
搭乗日
2017/03
路線
チューリッヒ → ブリュッセル
機体記号
HB-IJF
機材
Airbus A320-214
総評:3
3ッ星
機内食・ドリンク
4ッ星
座席(シート)
3ッ星
機内スタッフサービス
3ッ星
エンターティメント
3ッ星
トイレ・洗面台
無評価
機材コンディション
3ッ星
地上サービス
5ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
760
投稿日
2017/04/10

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
  • 写真の種類:座席(シート)
    機内はかなり空いていました。
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    夕食時間帯だったので、簡単なサンドイ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    最後に、やっぱりスイスチョコが配られ... 続き

総評

ワルシャワから到着して、チューリッヒで成田行きの160便に乗り継ぐ予定だったのに、遅延のために乗り継げませんでした。(Tokyo) と書いたプラカードを持った係員に声をかけたら、嫌な予感が的中して、振り替え便の搭乗券と食事券を用意して待っていました。ということで、夕方まで待たされた挙げ句に、さらにブリュッセルまで飛ばされました。

それにしても、今回乗っているスイス・インターナショナル・エアラインズって、2002年に創設された、かなり新しい航空会社なんですね。ええ?と思うかもしれませんが、それまでは1931年に設立されたスイスエアーというのが存在していました。「空飛ぶ銀行」と呼ばれるほど財政は健全で、営業成績も優秀、サービスにも定評がある非常に高品質の航空会社だったのですが、1990年代のヨーロッパにおける航空業規制緩和と自由化の波にもまれ、経営戦略の失敗もあり、倒産してしまったという、スイスにとっては国のイメージを覆す汚点とも言えるショッキングなことだったのです。

アメリカにおけるエアラインの規制緩和は、1978年のエアライン規制緩和法によって始まりましたが、ヨーロッパではそれよりもかなり遅れて始まり、1997年に完了しました。そのころからエアラインは激化した競争に生き残ろうとして、色々なアライアンスの提携を試みます。スイスエアーも1989年に、デルタ、シンガポールと共に「グローバル・エクセレンス」というアライアンスを結成、さらに1990年にはSAS、オーストリア、フィンエアーなどと共に「ヨーロピアン・クオリティ・アライアンス」を結成します。

スイスエアーは、アライアンスだけではなく、ヨーロッパ内の他のエアラインと合併してシェアを広げようという考えもあったようで、エールフランスや、ルフトハンザ、ブリティッシュエアウェイズなどに話を持ち掛けたりしました。さらに、1993年には、スイスエアー、KLM、SAS、ルフトハンザ、オーストリアなどを統合してヨーロッパの巨大エアラインを結成しようという提案もなされましたが、これはスイス国内を含めいろんな国から反対が出て、実現しなかったようです。今のスターアライアンスが結成されたのが1997年、ワンワールドは1999年、スカイチームは2000年ですから、今の3大アライアンス構造になる前に色々とあったんですね。

さて、スイスは国民投票により、欧州経済領域に不参加を表明したため、スイスエアーは欧州内第三国の都市間で航空便を自由に飛ばすことができず、他のエアラインに対してハンディキャップを負ってしまいます。他社と合併して強い体力をつけようとする試みも失敗に終わったスイスエアーは、90年代に、世界の色々な小さいエアラインのシェアを買収しまくっていく、「ハンター戦略」を展開します。今のターキッシュエアラインズや、南アフリカ航空、ポーランド航空(LOT)などもその対象となっていました。しかしこれもうまくいかず、ロスが重なって、財政的にどんどんとひっ迫していく結果になります。そんな中であの911事件が起きてしまいます。2001年には、キャッシュフローがどん底状態で、負債の返済はおろか、日々のフライトの燃料費の支払もままならず、飛行機を飛ばせない状態になってしまいます。フライトはキャンセルされ、乗客も乗務員も世界各地で足止め、乗務員が持つエアラインのクレジットカードは銀行に無効扱いされてしまい、自費で帰国せざるを得なくなるような悲惨な状態になってしまいます。

そしてスイスエアーはついに破産し、消滅。その資産を受け継いだ新航空会社、スイス・インターナショナル・エアラインズが2002年に設立されて運航を開始しましたが、大きな営業損失を抱えているこの会社、他の大手にひっつくしか道がなく、あちこちに話を持ち掛けて、一時はブリティッシュとの提携でワンワールド加盟も承認されました。しかし、ブリティッシュとは話が決裂におわり、ワンワールド加盟も渋ってしまいます。その後、だんだんと経営を立て直し、営業損失もどんどんと減らして軌道に乗せかかったころ、2005年にルフトハンザに吸収されることで話がまとまり、スターアライアンスには2006年に加盟しました。なので、現在ではマイレージプログラムもルフトと同じマイルズ・アンド・モアですけど、一応ブランド名はスイスを名乗っていて、機内サービスなどもスイスらしさを維持しているようで、短距離便でも必ずスイスチョコが配られます。

この便は、特に後ろ半分はかなりガラガラだったのに、僕はなぜか後ろから2番目の列に一人座らせられ、そのすぐ後ろの最後列に赤ん坊を2人連れた家族が陣取っていたのですが、その赤ん坊が二人とも、最初から最後まで、狂ったように物凄い大声でなきわめいていました。持っていたノイズキャンセリングイヤホンでも、まったく太刀打ちできませんでした。到着して、立ち上がった時にふと後ろを振り替えって見ると、二人ともすっかり顔が真っ赤に泣き腫れていました。僕は遅延でさらに遠回りをさせられた上に、最悪の席に座らせられていたのですね・・・。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
35C
搭乗クラス
エコノミー
区間マイル
300
出発予定時刻
18:15
到着予定時刻
19:30
予定飛行時間
1:15

コメント

  • 2017/04/10 12:13:59

    MaplecroftInnkeeper様

     HB-JMBでございます。

    >財政的にどんどんとひっ迫していく結果になります。そんな中であの911事件が起きてしまいます。<

     たしかにあの911事件が旧スイス航空が消滅する引導を渡したという説はよく言われることではあります。MaplecroftInnkeeper様がお書きになった「そんな中であの911事件」の「そんな中」には1998年9月2日に発生したスイス航空111便墜落事故とその後の損害賠償負担、あるいは運用。営業面での苦境(運用面では航空機、それも大陸間輸送できる大型機を1機失ってしまい、営業面では事故によるイメージ悪化)も指しているのではと考えています。

     1990年代のスイスのおかれていた立場から(もちろん1998年の事故以前から)、欧州の航空会社の収益の生命線と言われる大西洋線の競争力が他社と比べて弱かったことも財政および営業面での苦境につながったとされるということはよく言われるところではあります。

     余談ばかりで恐縮ですが。HB-JMB

  • 2017/04/10 20:47:15

    HB-JMB様、
    コメントありがとうございます。そうですね、確かにあの事件もスイスエアーにとって大きな打撃になりましたよね。あの事件はカナダのノバコスシアで発生したんでしたけど、墜落した機材はMD11で、デルタとのコードシェアの便でした。デルタは90年代にMD11を日本とアメリカの間の太平洋路線でも飛ばしていたので、僕も何度か利用して、好きな機材だったので、ショックでしたね。

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