国際航空運送協会(IATA)は、2019年1月15日付で、同日のイギリス議会でEU離脱の政府案が否決され、「合意なき離脱」の可能性が高まったことを受け、イギリスの航空需要を満たすことはできないとの見解を公表しました。イギリスがEUから「合意なき離脱」した場合でも、航空便に関しては運航継続されるものの、IATAは利用者、航空会社ともに不確実性が残ると指摘しています。
「合意なき離脱」の場合、経済的機会が妨げられ、乗客には現在より高い航空運賃につながる可能性がある上、運航便数の上限に達する可能性があるとし、経済成長性や自由な旅行が実現できない可能性があります。EUはすでに公表している航空便のガイダンスで、イギリスとEU間のフライトレベルを維持するとしていますが、これはあくまで2018年規模であり、2019年の成長に伴う便数増を見込んでいません。
IATA調査によると、消費者の需要を満たすには、2018年に対し最大500万人分の供給座席数の追加が必要です。この多くは、家族が休日を過ごす夏のピークシーズンにあたり、「合意なき離脱」の場合は便数増は実現できない可能性があります。
「合意なき離脱」の場合でも、イギリスとEU間のフライトは、現在のような安全性は確保されることが保証されていますが、航空各社はどのような離脱となるか正確な情報を掴んでいない状況です。また、EUのフライト数の上限がどのように機能するか、法的、商業的に不確実性が残るとコメントしています。