航空局、九州航空に業務改善勧告 操縦士の身体検査基準を覚知も放置

航空局、九州航空に業務改善勧告 操縦士の身体検査基準を覚知も放置

大阪航空局は2019年2月14日(木)、九州航空に安全意識の再徹底、安全管理体制の適切な整備、運航乗務員の適切な航空身体検査証明の管理などについて業務の改善を勧告しました。所属する操縦士が、2013年6月5日(水)から国土交通大臣判定が必要な医薬品の使用を継続し、2018年9月17日(月・祝)まで航空業務を行っていました。

当該の操縦士は2013年7月23日(火)から、身体検査基準に抵触する「関節リウマチ」でしたが、航空身体検査証明申請書にこの事実は記載せず、航空身体検査証明を取得していました。

さらに、当該操縦士が2016年6月に「関節リウマチ」と診断され、服薬治療を受けていることを覚知したものの、症状が軽いとの判断から、乗務停止など適切な措置をとらず5年以上の航空業務を当該操縦士に担わせていたものです。

航空局は、一連の事象について航空の安全を著しく損ない、航空事故や重大インシデントを発生させるおそれのある重大な違反行為と指摘しています。この違反行為は外部からの指摘を発端に発覚しており、自ら問題点を調査、原因を究明し、適切に再発防止策を講じる安全管理システムが十分に機能せず、現行の安全推進、運航や整備体制下で航空機の運航の継続的な安全性が確保されないおそれがあるとみています。

このため、身体検査基準等に抵触する身体状態にある操縦士に航空業務を行わせたこと、航空の安全を損なう行為を踏まえ、(1)安全意識の再徹底及びコンプライアンス教育の実施、(2)安全管理体制の適切な整備、(3)航空機乗組員の適切な航空身体検査証明の管理について速やかに措置を講じ、3月13日(水)までに文書で報告するよう求めています。

航空局は「航空機乗組員の使用する医薬品の取扱いに関する指針」で、航空業務中に大臣判定が必要な医薬品を指定し、航空法第71条で同法31条第3項に定める身体検査基準に適合しなくなった場合、航空業務を行ってはならないと定めており、「関節リウマチ」は身体検査基準に抵触します。

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