ブリティッシュ・エアウェイズなどを傘下に置くインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2019年12月18日(水)、イギリス首相と新政府に対し、ロンドン・ヒースロー空港の拡大費用について、独立評価を実施するよう要求しました。
ヒースロー空港が空港拡大費用として、当初の6億5,000万ポンドから24億ボンドと、約4倍の費用を計上した計画の認可をイギリス民間航空局(CAA)に求めていたことへの対応です。そもそも拡大計画が許可されおらず、また最終的な費用が明確でないこと、さらにCAAの決定は選挙前の決定で、ヒースロー空港が提示した見積りをベースとし、独立した精密な調査を経ていないと、IAGは指摘しています。滑走路、ターミナル、関連する開発コストの見積りは過去2年間に2.5倍に増大し、環境的な課題が大きく高まる中で、経済的な正当性を失いつつあると説明しています。
独立した調査は、空港拡大計画が費用対効果に優れることを確認する必要があり、ヒースロー空港のコスト提案のみに基づき、建設されない可能性のある滑走路のため、事前に顧客へ莫大な金額を要求することは受け入れられないと、IAGのウィリー・ウォルシュCEOはコメントしています。
この声明を公表した後、CAAは12月19日(木)付けで、拡大プロジェクトが失敗した場合、その費用が搭乗者に負荷される可能性があるとして、コストの増大を却下しています。これを受け、ヒースロー空港は第3滑走路の建設が少なくとも12カ月遅延し、完成は2028年初期から2029年後半になると発表しています。