2012年9月7日、防衛省は「平成25年度概算要求の概要」を発表しました。概算要求は各省庁が財務省に提出する翌年度予算の見積もりで、これから12月にかけて査定が行われ予算案となるものです。
来年度の概算要求では尖閣問題を端緒とした「周辺海空域の安全確保」と「島嶼部に対する攻撃の対応」を大きくクローズアップしています。そのため新型護衛艦と潜水艦各1隻の建造、P-1哨戒機2機の取得、E-767 AWACS機1機の能力向上などを要求し、監視能力の向上を目指しています。
そして、実際に侵攻されたときに備えて、兵員を急速展開するCH-47JAヘリコプター1機や、水陸両用車輛の参考品購入、03式中距離地対空ミサイル1式と12式地対艦ミサイル4両、F-35A 2機の取得もこれらに関連して必要としています。また那覇基地の戦闘機部隊2個飛行隊化への施設整備も要求されます。
そのほか自衛隊の情報通信ネットワークを防護するサイバー空間防衛隊の新設、ゲリラ対策や災害等への対処のための各種車輛、ヘリコプターの整備、弾道ミサイル攻撃への対応策として、イージス艦2隻の能力向上とPAC-3ミサイルの取得、迎撃ミサイルや偵察衛星、滞空型無人機システムの研究開発を要求しています。