韓国の国土交通部は、2024年12月29日に務安(ムアン)国際空港にて発生したチェジュ航空2216便の着陸失敗事故に関する情報を発表しています。
この事故は、チェジュ航空のボーイング737-800型機「機体記号:HL8088」が、務安国際空港への着陸に失敗、滑走路外壁に激突したもの。搭乗していた乗客乗員181名のうち、179人が死亡、客室乗務員2人が負傷。死亡者の身元については、全員判明しているとのことです。
事故調査については、12月30日より韓国の航空・鉄道事故調査委員会および米運輸安全委員会(NTSB)、連邦航空局(FAA)、ボーイング、エンジン製造会社のGEを加えた合同調査団が実施中。事故機に搭載されていたコックピットボイスレコーダー(CVR)については、すでにデータの抽出が完了したとのこと。フライトデータレコーダー(FDR)については、2025年1月6日にアメリカに移送されており、今後内容の分析が行われます。
事故機が着陸時に衝突したのは、滑走路端に設置されている誘導指示装置である「ローカライザー」の土台部分のコンクリートの構造物でした。このような構造物は他空港にも見られるもので、国土交通部は「法令遵守の有無を問わず、安全性をより考慮する方向で速やかに改善する」としています。また、国際民間航空機関(ICAO)の規定が膨大であり、空港施設関連の法令が複雑になっていることにも触れ、現在の法令と制度を点検し、不足している部分は改善していくとも述べています。
また、事故機と同型機を運航している韓国の各航空会社においても、1月10日まで特別点検を実施しているほか、韓国国内の13空港における安全点検を行なっているとのことです。なお、務安国際空港の滑走路については、事故調査の進行状況を考慮し、1月14日(火)まで閉鎖。このため、ジンエアーの成田・関西〜務安線定期便は欠航しているほか、チェジュ航空が運航予定だった長崎へのチャーター便も、全便の運休が決定しています。