札幌市、フジドリームエアラインズは2014年の札幌・丘珠空港でのチャーター便運航をめざし、市民説明会を開催しました。この中で騒音、着陸について詳細を明らかにしています。
市内7カ所の騒音測定値は、環境基準内にとどまり、2013年11月16日の実証飛行で最も大きい丘珠町農地でのうるささ指数WECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)が70と、基準の75以下になっています。
実証飛行後の市民アンケートでも騒音、排気、安全性の3項目でいずれも80%以上が気にならない、安心していると回答、気になったや不安という回答を大きく上回りました。
札幌市はこうした結果に基づき、1日の最大運航便数も想定。条件は、現在就航する北海道エアシステム(HAC)が1日12往復24便を継続し、自衛隊機や民間のプロペラ、ヘリコプターを含む環境基準を超えない騒音の広がりをシミュレーションした騒音予測コンター図から、フジドリームエアラインズの便数は1日最大で15便としています。チャーター便の運航計画は1日1往復のため、札幌市では騒音は環境基準値以下に収まるとしていますが、実際の運航時も引き続き調査を行うとしています。
また、フジドリームエアラインズはERJ-170のカタログ値の必要滑走距離の前提について紹介しています。ERJ-170は、カタログ値で離陸滑走路長は1,670メートル、着陸滑走路長は1,230メートル。ただし、この数値は構造制限最大離陸重量時、滑走路はドライ、勾配なし、障害物なし、気象条件は無風、標準海面高度、標準大気15度の条件から算出した距離のため、エンジンパワー、フラップの設定を変え、カタログ値より必要滑走路長は短くなるとしています。
2013年11月の実証飛行では、最大出力の「TO1/FLAP4 ECSOFF」で滑走路14を使用、中央標識付近でリフトオフしました。丘珠から小牧へ向かう際の搭乗客数は65名で、ほぼ満席の状態でしたが余裕をもって運航ができ、1,500メートルの滑走路での運用が可能としています。
なお、「TO1/FLAP4 ECSOFF」は1,361メートルですが、丘珠空港の滑走路強度は問題ないものの、ンプ強度の制限重量の範囲内での最大離陸重量を設定すると1,252メートル、さらにエンジン2基ともに正常稼働の「ALL ENGINE」では約15%短い滑走路となります。