IHIは2014年11月17日、車両過給機・航空エンジン事業の説明会を開催しました。航空エンジン事業のうち、売上の伸びを想定する民間向けは新技術の開発、15年から20年をかけた投資回収、アフターマーケット事業の拡大の取り組みを行います。
民間向けエンジンでIHIは、A320のV2500、777のGE90、CRJのCF34、787と747のGEnxで現行機に参画しています。今後、市場に投入される航空機ではA320neoのPW1100G-JM、グローバル7000/8000のPassport20、777XのGE9Xに事業参画します。
このうち、787向けのGEnxはボーイング受注の1,054機のほぼ半分のシェアをGEnxが得ているほか、A320neo向けのPW1100G-JMも、エアバス受注の3,272機のエンジン選定済みでほぼ50%と引き続き高い生産体制を維持する必要性があります。
IHIでは、すでに市場に投入されているエンジンでも、改良や派生型の開発に必要に応じて取り組み、燃費改善や騒音低減に向けた取り組みを進めるとしています。さらに新エンジン向けには新技術の開発、生産体制の整備にあわせ、アフターマーケット市場への取り組みを強化します。現在は、IHIが参画したエンジン販売が年12,700台程度で、売上高比率は10年から20年で増加するものの、アフターマーケットを大きく伸ばしていく方針です。
新型エンジンには炭素繊維系複合材としてファンケースなどをPW1100G-JMに適用するほか、タービン静翼のセラミック系複合材、高強度鍛造素材を使用したロングシャフト、高温・高強度鍛造素材の大型タービンディスクなどを次世代エンジン実用に向けて技術開発を進め、熱効率の向上やエンジン軽量化による燃料消費率を改善していきます。
なお、PW1100G-JM向けに複合材ファンケースの生産ラインとして、IHIエアロスペース富岡事業所に第3工場を2014年下期に稼働を開始します。