三菱レイヨンは2015年2月5日、A320neo向け新型エンジンPW1100G-JMのファン構造部材に、同社製のPAN系中弾性グレード炭素繊維が採用されたと発表しました。民間機エンジンの構造案内翼に炭素繊維が使われるのは世界で、これが初めてです。
PW1100G-JMは、アメリカのプラット・アンド・ホイットニー、ドイツのMTUアエロ・エンジンズ、日本航空機エンジン協会(JAEC)の3者で共同開発する低燃費、低公害、低騒音を実現した民間機向けエンジンです。
IHIが三菱レイヨンの中弾性グレード炭素繊維を採用し、エンジン前部から空気を取り込むファン内部に配置された構造案内翼を世界で初めて複合材料化したものです。これまではチタン、アルミを使っていましたが、より軽く、強度のある炭素繊維強化樹脂(CFRP)複合材に置き換え、鳥衝突にも耐える強度を保ち、エンジンを大口径化しました。これにより、エンジンの軽量化、燃費改善に貢献します。
三菱レイヨンは、豊橋事業所内に保有する生産設備、体制を活用し、急激な立ち上がりが計画されているPW1100G-JM向け炭素繊維の製造に対応する計画です。