日本航空機開発協会(JADC)は、「民間航空機に関する市場予測 2015-2034」を公開、ジェット旅客機は2014年の19,877機から、2034年には1.9倍の37,147機に増加する見込みを示しました。2034年の内訳は、現在の機材が使用される既存機は4,459機、納入機数は32,688機としています。さらに、納入機数のうち、既存機の代替需要は15,418機、新規需要は17,270機です。
納入する32,688機のうち、MRJやエンブラエルなどのリージョナルジェットは3,452機、ボーイングの737やエアバスのA320などのナロウボディ(細胴機)は20,679機、ワイドボディ(広胴機)は8,557機です。
それぞれ2014年から2034年の機数の変化は、リージョナルジェットが3,279機から3,952機、ナロウボディが12,823機から23,692機、ワイドボディが3,775機から9,503機となる見込みです。
15席以上のターボプロップ旅客機は、過去20年間では1994年の5,908機をピークにリージョナルジェット機の普及で減少しているものの、燃油費の上昇から2002年以降は、その受注状況が改善しています。ただし、機数は微減を続け2014年末の運航機数は3,459機、2034年の予測も3,273機となりました。2034年の既存機は533機、納入機数は2,740機です。この分野は60席から79席のATR72、Q400が1,432機が見込まれ、シェアは29%から44%に増える見込みです。
なお、航空エンジン需要は、機体納入時に搭載分とスペア用を含め、2015年から2034年までジェット機とジェット貨物機用のジェットエンジンが75,999基、ターボプロップ旅客機用のターボプロップエンジンが6,066基で、合計82,065基とみています。これは新造機の販売機数にエンジン基数を乗じたものと、スペア用は機体納入時に搭載されるエンジン基数にスペア率10%を乗じた予測です。
エンジンは、機体販売価格の内数で約20%を占める高価なもので、2014年市場価格では、ジェットエンジンが1兆920億ドル、ターボプロップエンジンが120億ドルの合計1兆1,040億ドルでした。ジェットエンジンの基数で最も大きい市場は、737やA320シリーズに搭載される推力12,000から35,000lb.クラスエンジンの42,994基で、ジェットエンジン市場の58%を占めています。777、787-10やA330、A350、A380に搭載される65,000から115,000lb.クラスが18,504基、747、767、787-8やA340に搭載される35,000から65,000lb.クラスが6,174基となっています。リージョナルジェット機用の12,000lb.以下は8,327基と販売総数の10%程度です。