ANA中期経営戦略、2020年までに国際線140% LCC310%の成長めざす

ANA中期経営戦略、2020年までに国際線140% LCC310%の成長めざす

ANAホールディングスは2016年1月29日(金)、「2016~2020年度ANAグループ中期経営戦略」を発表しました。世界のリーディングエアライングループを目指す経営ビジョンの実現に向け、新たな成長戦略を策定したものです。

経済環境は、原油価格の下落、訪日需要の拡大など好調に推移する好要因と、景気の先行き不透明感、中国など新興国経済の減速と、世界の航空需要に影響が及ぶ懸念材料があります。一方で、ANAが主要市場とする首都圏空港発着枠は2015年度に羽田が44.7万回、成田が30万回のところ、2020年度までに羽田が48.6万回、成田が34万回に増加する計画があります。また、訪日外客数は2015年が1973万人のところ、2020年度に3000万人をめざす国の施策など、ビジネスチャンスが見込まれています。

こうした環境下で攻めの経営として、新市場への参入と新規事業の創造、戦略的投資、イノベーションの創出、スピード経営でタイムリーな情報集約発信、シンプルな判断プロセス、試験的なプロダクト投入とニーズを探り出すリーンスタートアップを柱に、各事業を進めます。

この各事業のうち、全日空(ANA)によるフルサービスキャリア(FSC)国内線は、2020年まで現状と同規模を維持しつつ、航空関連事業以外のノンエアで120%、FSC国際線と貨物事業でそれぞれ140%、格安航空会社(LCC)で310%の増加を目指します。FSC国内線は需要拡大が見込めないもののマーケットシェアを維持し、効率化を進め収益を維持する方針で、FSC国際線は中南米、ASEAN、リゾートへの進出で新たな需要獲得を目指します。

貨物はANA Cargoの貨物専用機を使うフレイター事業と物流事業で2017年度までに黒字化し、FSC事業に貢献していく方針です。

LCCは、バニラエアが担う事業で日本で新たな需要の創造に取り組みながら、訪日需要の取り込みを図り、第4のコア事業として収益拡大を目指していきます。

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