787ウォッチャーでブログ「All things 787」は、787の納入が金融不安と同時に、スラストリバーサーの問題で納入が停滞していると指摘しています。787にはGE、ロールスロイスがそれぞれエンジンを供給していますが、いずれのメーカーのエンジンともにスラストリバーサーに問題があるとしています。問題の内容については、詳細は不明としていますが、一部の機材からエンジンが取り外されていると指摘しています。
【本記事のソース元で情報の修正「Confusion regarding 787 engine issues」が新たに掲載されています。「スラストリバーサー」には問題は無く、JAL向け機材に搭載したエンジン固有の問題とのことでした。(8/10 21:40)】
ただし、このエンジン関連の問題はボーイングが計画している年間の787納入機数に大きな影響は与えないのでは無いかとの見方をしています。
エンジンの問題では、機体の組立が完了し、地上試験や飛行試験を行う機体を駐機するフライトラインでは、GEエンジンを搭載する日本航空(JAL)と海南航空、ロールスロイス・エンジンを搭載するスクートの機材のエンジンが取り外された状態になっているとし、その問題の解決にボーイングが取り組んでいることが伺えます。
787は2011年9月に全日空(ANA)に初号機を納入するまでの苦難の開発過程を経て、初期に製造した機体の胴体後部の剥離問題、2013年の大規模な運航停止などで787プログラムが成熟度を高めていますが、今回の問題もさらに良い機種に成長する過程とみられます。
ボーイングは今後、787-8、787-9に加え、787の新たな機種として787-10の開発を進めており、最終組立の着手は2017年、初号機のデリバリーは2018年を目標として、プログラム全体を進捗させています。