ボーイングは2016年9月22日(木)、世界貿易機関(WTO)にアメリカが訴えていた欧州連合(EU)のエアバスへの補助金問題について、大筋で認められたことを受け、ボーイングはEUがエアバスへの補助金による支援をやめるよう声明を発表しています。
EUのエアバス支援では、2004年にアメリカがWTOに提訴し、2011年に是正勧告を受けましたが、今回のWTOの判断はその勧告に従っていないというアメリカの主張を認めたものです。ボーイングは、この補助金で新型機のA350が製造されたとしています。
アメリカ通商代表部は、このWTOの裁定を受け、EUがエアバスへの支援を即時やめるように求めています。この補助金問題をめぐって、2006年以降にエアバスのA320ファミリーがボーイングの737について271機分をEU、オーストラリア、中国、インド市場で奪ったとしているほか、767、777、787のワイドボディ機ではA330、A340、A350 XWBがEU、中国、韓国、シンガポール市場でボーイングの販売機会を失ったとし、機数は50機としています。
大型機では747で、EU、オーストラリア、中国、韓国、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)で54機の販売機会が失われたとしています。
なお、この問題ではEUもアメリカがボーイングに支援を行っているとして提訴、WTOはこれについてもアメリカに是正勧告しています。