鹿児島発ソウル経由東京行き - ANA (全日空) 口コミ・評価

航空会社 ANA (全日空)

2024年04月21日に撮影されたANA (全日空)の航空機写真

© mix nutsさん

全日空(ANA)は、日本ヘリコプター輸送と極東航空が1958...
日本
IATA | ICAO
NH | ANA
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
鹿児島発ソウル経由東京行き

航空会社
全日空
便名
NH1292
エコノミー
搭乗日
2003/12
路線
金浦(ソウル) → 羽田(東京)
総評:3
3ッ星
機内食・ドリンク
無評価
座席(シート)
無評価
機内スタッフサービス
無評価
エンターティメント
無評価
トイレ・洗面台
無評価
機材コンディション
無評価
地上サービス
無評価
口コミ投稿者
Coppapen Studioさん
アクセス数
381
投稿日
2014/11/16

搭乗写真

  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    当時使用した航空券一式

総評

鹿児島の片田舎で生活していた、十数年前の年末のこと。

東京の大学時代の友人達が集まるという話を聞いて、
久々に逢いたくなった。

卒業してから、10年近くも会っていない友人も結構いる。

しかし、おいそれと簡単に行くには遠すぎるし、何よりも
航空券がバカ高い冬休み料金の設定しかない。
片道運賃で鹿児島→羽田は3万5千円(当時)…高すぎる!
オフシーズンならこの往復料金で、ロサンゼルス往復が出来るゾ。
うーん、正規運賃で国内線に乗るのには馬鹿馬鹿しいなぁ。
諦めつつあった気分だったが、ふとあることに気付く。


以前ソウル発券して放置していた、福岡→ソウルの残券片が
手元にあった。
この頃、海外へ旅行するときはソウルで航空券を発券していた。
今みたく円安ウォン高ではなかったし、自分みたいに地方生活者は
ソウルを起点にして航空券を発券すれば、成田や関空で乗り換える
手間も掛からず、かなり安上がりで飛行機に乗れた。


御贔屓にしている韓国の旅行社のサイトで料金を検索した。
すると、金浦→羽田→鹿児島→羽田→金浦ルートの航空券が
6万円弱で販売している。
支払う金額は、国内線普通運賃と1万円強しか変わらないが、
今回はこの区間の半分しか使わない。
っていうことは、諸経費含めても4万円以内で収まる。
東京滞在中は後輩宅に押しかけるつもりだし。
また、何よりも航空券自体は正規運賃とほぼ同じ扱いなので、
発券日から一年間有効だし、席さえ空いていれば予約が出来る。
早速、旅行社にコンタクトを取って希望日に空席があったので
予約を入れて決済した。
その後、一週間位したら航空券が送られてきた。


そして、御用納めの日の夜。
いよいよ日本出国して東京に向かう旅(?)に出発だ。
鹿児島から夜行バスで福岡に向かう。
車内は揺れるは、広くもない席でずり落ちそうになるは、
後ろのオッサンはイビキが大きいはで殆ど寝付けず。
すっかり、フラフラの状態で天神のバスセンターを降りた。
日本海から吹いてくる冷たい風を受けて、朝の福岡中心部で
大きく伸びをした。

とても気持ちがいい。地下鉄に乗り換えて空港へ向かった。

手元のソウル行き航空券を搭乗券に引き変えて、
出国手続きを済ませる。
パスポートには出国のスタンプが押された。
これから向かう場所は東京で、今夜泊まるのは調布の後輩宅。
なのに、今の自分がいる場所は日本を出国した状態のところだ。
何だか、とっても不思議な気分になる。
思わず、当時付き合っていたカノジョにメールを送った。
暫くして来た返信は「バカじゃないの」だった。
まあ、そりゃそうなんですけど。


出発のアナウンスが掛かったので、日航971便に乗り込んだ。
(現在は日航による福岡仁川の運航はないです)
福岡を飛び立って、壱岐を超えればすぐに韓国領土だ。
順調に釜山を通過して、仁川へは一時間ちょっとの空の旅。
嗚呼、冬の3万フィートの空は蒼い。
着陸態勢の時、遠くに険しい山脈が見えた。
ひょっとして、あそこは北朝鮮だろうか?

短い空の旅も終わり、仁川空港に到着して入国審査に並ぶ。
機内で配られた入国カードの目的欄を書くのに少し考えたが、
観光でもないので「TRANSIT」と記載した。
それを見た審査官は流暢な日本語で聞いてきた。



審:「韓国から先、どちらへ出発ですか?」

俺:「日本です」

審:「????」

俺:「いや、だから今福岡から来たんですけど、金浦空港に行って
   東京行きに乗り換えるんです」

審:「????………OK……」

ボソリと呟いて、スタンプを押してパスポートを投げ返してきた。

何だか会話は噛み合わず、禅問答みたいになってしまったが
目出度く韓国入国が許されたようだ。
時間があればソウル市内へ繰り出したかったが、東京行きの
出発まで4時間弱しかない。
観光は次の航空券で、最後の券片を使ったときにゆっくりとしよう。
慌ただしく、金浦空港行きのリムジンバスに乗り込んだ。
車窓には青空の下の寒々しい漢江が映る。
超高層マンションを掻き分けてソウル市内を突き抜ける。

大きなハングルで書かれた看板や、細い路地、商店街やオフィス街
が目まぐるしく展開してゆく。
そして、今乗っているバスが走っている道も日本と逆の右側通行だ。

まぎれもない外国だ、ここは。
そして、素通りすることがとてつもなく勿体なく感じる。
焼肉食べたい、ユッケジャン食べたい、トッポギ食べたい…etcetc
日本国内の移動なのに異国の地にいる自分の状況が、
やっぱり不思議に思えてしまう。

一時間程で金浦空港に到着。
仁川が開港して、ここは国内線の空港になったが羽田に向かう
日韓シャトル便はここから発着している。
予約しているANAの航空券を搭乗券に引き変えて、今度は
出国手続きを済ませる。
今日さっき押されたばかりの入国スタンプを見た審査官は
一瞬訝しげな顔をしたが、笑顔で出国スタンプを押してくれた。
取り敢えず海外に行ったには変わりがないのだから、免税店で
マルボロ1カートンとラルフローレンの紫瓶のフレグランスを買った。

窓の外にいる出発準備中の東京行きの飛行機を眺めながら
ベンチに腰を下ろす。
疲れがどっと押し寄せた。
考えてみれば昨日の夜中からずっと、ロクに眠らずに10時間以上も
移動している訳だから疲れない訳がないわな。
変な汗が滲み出て、気分もよろしくない。
後輩の家に着いたら、近くのスーパー銭湯にでも行こうかなぁ。
ゆっくり、湯船に浸かりたい。

誰かに揺さぶられた。
目を覚ますと空港職員のお姉さんが、もう出発よと教えてくれた。
周りを見渡すと、既に改札口は開いていて人影もまばらだ。
どうやら熟睡してしまったようだ。
急いで、自動改札機に搭乗券を入れて機内に向かった。


行きに乗った日航機とは逆の方向に飛び立って、東京へと向かっている。
機内でも2時間近く熟睡していた。目を覚ますと夕闇に包まれた
房総半島上空まで到達していた。
木更津の工業地帯を飛び越えて、東京湾でぐんぐん高度を下げて
見慣れた羽田空港に着陸。
時計を見ると夕方6時。
家を出てから、もう20時間近く経つんだよねぇ。




早足で入国審査を済ませて税関へ向かう。
着替えなどかさばる荷物は先に後輩宅へ宅急便で送っていたので、
持っている荷物はトートバックと免税店で買ったもののみ。

税関のオジサンは軽装のオレを見て、首を傾げたが何も質問せずに
スルーさせた。
多分、この旅程のパスポートのスタンプを見て着替えが入った
カバンを引き摺っていたのなら、間違えなく何かしらの運び屋と
疑って開封検査だったことでしょう。


リムジンバスで調布に着いたのは、夜8時を超えていた。
家を出てから、丸一日。
本当に長く、不毛な移動だったことを身に浸みて感じた。
これじゃあ、移動でなくて苦行だ。
後輩の家に着くなり、布団の上にダイヴ・イン。
翌日の昼前まで起きれなかった。
まあそれでも、翌日の久々の再会ではガンガンに酒を煽り倒しました。


今でもパスポートのスタンプを見ると、あの時の気怠さがリアルに蘇る。
またやれと言われても、絶対に無理だ。
やはり、外国に行くのなら純粋に旅行するに限る。
しかし、この航空券はしっかりと全旅程使い切りましたけど。



-結論-

旅程は少々高くても、最短経路で行きましょう。
国内移動で海外経由はありえません。

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