2019年秋の帰国旅行2便目-大西洋航路の競争に躍起になるあまりメンツがつぶれたデルタ - デルタ航空 口コミ・評価

航空会社 デルタ航空

2019年02月10日に撮影されたデルタ航空の航空機写真

© TA27さん

デルタ航空は、1929年6月17日、テキサス州ダラスから単葉...
IATA | ICAO
DL | DAL
アライアンス
スカイチーム

搭乗レビュー
2019年秋の帰国旅行2便目-大西洋航路の競争に躍起になるあまりメンツがつぶれたデルタ

航空会社
デルタ航空
便名
DL46
エコノミー
搭乗日
2019/10
路線
JFK(ニューヨーク) → アムステルダム
機体記号
N177DZ
機材
Boeing 767-332/ER
総評:3
3ッ星
機内食・ドリンク
4ッ星
座席(シート)
3ッ星
機内スタッフサービス
4ッ星
エンターティメント
3ッ星
トイレ・洗面台
3ッ星
機材コンディション
3ッ星
地上サービス
3ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
3,468
投稿日
2019/11/12

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    これから乗る飛行機。
  • 写真の種類:座席(シート)
    シートピッチは決して広くありません。... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    最初に配られたイヤホンとアメニティキ... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    メニューカードが配られたのはやや予想... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    ペットボトルの水が配られたのも、好印... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    ドリンクと共に、お菓子が2種類配られ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    チキンを選択しました。この頃はどこの... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    トレーには、こんな風に変に出っ張った... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    到着約1時間10分前に電気がついて機... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    到着前の簡単な朝食。小さい箱の中にヨ... 続き

総評

米系の国際線には二度と乗るまいと思っていたのに、今回は値段や時間など、色々な面を考慮すると、選択肢が限定されてしまい、やむなくこうなりました。(前のレビューで、今回はデルタは遠慮したと言ったばかりなのに、結局使ってんじゃないかって言われそうですけど、下に書いたように、選択肢がないところでの妥協案だったのです・・・。)

それにしても、アメリカから日本に帰国するのに、何でアムステルダムなんだよって思われるかもしれませんが、別にアムステルダムにこだわったわけではなく、逆向きに飛んで、ヨーロッパのどこかでちょっとだけ、何か新しい体験ができるような寄り道をするというのが目的だったわけで、なるべく安いチケットで、楽しい体験ができればそれでよかったのです。

アメリカからヨーロッパまで、今大変安いチケットが出ていて、ニューヨークからパリまで往復300ドル以下というのもあったのですが、航空会社がBAとかAAで、どれも乗ったことのあるエアラインだったし、時間的にもあまりよくない・・・。この頃は、アライアンス内のジョイントベンチャーが幅を利かせていて、大西洋路線のチケットを検索すると、出てくるのはどれもお決まりの系列エアラインばっかりです。どのエアラインのサイトで検索しても、一番安いチケットは、往復でそれぞれ系列内の違うエアラインの組み合わせになるということが多いようですね。大西洋航路は、もっぱらAA/BA/IB、DL/KL/AF、あとLH/LXという組み合わせのようです。

あれこれ調べて迷った結果、デルタは気が進まないけど、他はみんな乗ったことのあるエアラインばかりなのに対して、乗ったことのないKLMが入っているということで自分なりに妥協したのでした。なので今回のアムステルダムも、復路はKLMです。ならばどっちのエアラインのサイトで買った方が有利かなと思って、両方とも見てみましたが、値段はどちらも同じでした。ただし、安い運賃に飛びついたのに、デルタの国内線と同様、一番安いチケットだと、座席の選択は不可で、空港で当てがわれるとのこと。短距離の国内便ならそれでもいいけど、長距離国際便となったら、やっぱり自分の好きな席に座りたい…。ということで150ドルも高くなるのを我慢して、一番安いベーシックエコノミーではなく、メインキャビンを選ぶことになりました。ずるいですねえ・・・。デルタのサイトでも、KLMのサイトでも同じことで、メインキャビンを選ぶと、どちらのサイトでも、どちらの便も席が選べます。コードシェア便は、座席を選ばせてもらえないのかと思ったのですけど、最近はそのあたりも、同じアライアンス内でもパートナー形態によって違うようで、ややこしくなりましたね。

だけど、アメリカからヨーロッパへ行こうとすると、エアラインの選択肢が本当に限られていて、アメリカの御三家とそのパートナーエアラインで、ほぼ9割がた占めているという話も聞きます。つい最近、デルタとKLM/AF、そしてデルタが49%、KLM/AFが20%を所有するロンドンベースのバージンアトランティックが、やっぱり大西洋航路を制覇すべく、協定を結んでいます。だから、その中に他のエアラインが食い込むのは至難の業なのですね。以前エミレーツのレビューでも書きましたけど、エミレーツのJFK-MSPの以遠権路線も、御三家にはすごい目で睨まれています。エミレーツはアメリカ路線に食い込むためにジェットブルーとパートナーを組んでいますけど、前の便のレビューで書いたように、ジェットブルーもバックに強いエアラインがいなければ、単独では大西洋路線市場に食い込むのは難しいんでしょうね。

ところが、ごく最近、その大西洋路線市場に食い込もうと、人知れず登場してきたエアラインがあるんです。イタリアの、ミラノのマルペンサをベースにしたエアー・イタリーという、2018年3月に運航を開始したばかりの新進エアラインです。が、フラッグキャリアのアリタリアに次ぐイタリア2番手のエアラインに成長していて、実はあのカタールが49%出資しています。その小さいエアラインが、ミラノからJFKやマイアミに直行便を飛ばしていて、それ以外にもロサンゼルスやサンフランシスコにも進出しようとしています。御三家は、これはカタールがヨーロッパとアメリカを結ぶ路線市場に進出する戦略だとして、大変に憤慨し、トランプ政権に訴えてプレッシャーをかけているのです。エアー・イタリーの台頭がアリタリアにも脅威を及ぼしているということは、実はデルタにも強い関心があるんです。アリタリアは、スカイチームのメンバーでもありますが、経営破綻に救いの手を差し伸べたのは、中東のエチハドで、これが今49%所有しています。しかしデルタも、欧州南部の路線網を確保すべく、アリタリアを買収しようという考えがあるのです。エチハドは、アメリカンとのパートナーシップを断ち切って、ユナイテッドと手を結び、いずれはスタアラ加盟もありかという強い噂がしきりに流れていますので、そうなるともうドロドロですけど、デルタとしては、アリタリアをスタアラに取られたくないのでしょうから、エチハドから自分たちの手中に確保しておきたいというのもうなずけます。

そもそもデルタが現在のような巨大な国際キャリアの地位に成長した背景には、1991年にパンナムの倒産に伴ってその国際線路線の資産を買収したことがあります。特に、ヨーロッパ路線とそのハブだったフランクフルトを手に入れたことで、欧州方面に強い体質が出来上がりました。デルタとしてはその欧州路線での優位性をどうしても他社に脅かされたくないという気持ちがあるのでしょう。

さて、その御三家のちょっかいにくぎを刺すように、アメリカ政府に「ちょい待ち」の手紙を送ったのは、他でもないジェットブルーのCEOでした。御三家は、カタールが49%所有するエアー・イタリーがヨーロッパとアメリカの間の路線を飛ぶのは協定違反だとしているが、それは間違いで、EUの規定にも米国の規定にもちゃんと準拠している。デルタが49%所有するバージンアトランティックが、イギリスと米国以外の国の間の路線を飛んでいるのが問題になっていないのと同じだと指摘しているのです。デルタはメンツが丸つぶれですね。さらに、所有機材数が合計で2,500機にも及ぶ巨大エアラインの御三家が、たった13機(そのうち長距離路線に使えるのは6機だけ)という小さいエアラインを相手にして、自分たちに脅威を及ぼしているなどと吠えたてて喧嘩を売っているなんて、バカげていると笑っているのです。

デルタのレビューのはずが、いろんなところに話が飛んでしまいました…。エアラインを選ぶときには、値段や利便性もあるし、サービスの良しあしも考慮すると思いますけど、ジェットブルーにしても、このエアー・イタリーにしても、ビジネス客を狙って、ビジネスクラスには相当力を入れ、値段も安くしてサービスレベルもかなり充実させているようですね。(エアー・イタリーはカタールから譲り受けた飛行機を使っているので、ビジネスのシートもそういう仕様になっているようです。)

デルタは、少なくとも自分が利用した90年代は、サービスに定評があって、機内食も米系として唯一、3種類、しかも今のようにパスタなどはなく、ビーフ、チキン、フィッシュというような選択肢があって、かなりいいサービスだった記憶があります。当時は米系エアラインも、今みたいに3社独占状態ではなく、もっと多く存在していて競争も激しかったのだろうと思います。20年ぶりに懐かしい思いをもって乗った今回のデルタですが、最初におしぼり、ペットボトルの水、機内サービスの流れも説明されているメニューカード、簡単なアメニティキットなどが次々と配られて、最初のドリンクサービスでも、チーズ菓子とクッキーの二つが配られたりするあたりからは、今でもその名残が覗えました。今回のフライトは、残念ながらドリンクサービスの後から激しい揺れが長く続き、機内サービスは一時中断。1時間後くらいに、アナウンスがあって、今コックピットと相談したところ、クルーはサービスを再開してもよいが、客はまだ席を立ってはいけないとのことだったということで、機内食は変則サービスとして、ドリンクは水だけ、ものすごい勢いでどんどん片づけられてしまいました。メニューにはチキン、パスタ、あとコールドミールのタイ風チキンサラダと3種類が記載されていたのですが、実際積み込まれていたのは2種類だけでした。
食事の後もしばらく揺れが続いていて、シートベルトサインは点灯したままでした。エアラインのせいではないので、まあ仕方がないのですが、やや残念でした。

でも、しっかりと飛んで、アムステルダムには予定より50分も早く、朝5時に到着しました。空港は閑散としていました。機内でほとんど寝られずに短い夜を過ごした後、これから長い1日が目の前にあるかと思うと、バチバチの目で頭もボーッとしている状態では、楽しいはずの旅行には少しの苦痛が伴うのだということも思い知らされます。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
39G
搭乗クラス
エコノミー
区間マイル
3,630
出発予定時刻
17:22
到着予定時刻
5:55
到着時刻
5:05

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