B777ライフラットの2-3-2で、A380では名物の機内バーカウンターがなくとも6時間程度の夜行便ならば必要十分 - エミレーツ航空 口コミ・評価

航空会社 エミレーツ航空

2024年03月31日に撮影されたエミレーツ航空の航空機写真

© A.Tさん

IATA | ICAO
EK | UAE

搭乗レビュー
B777ライフラットの2-3-2で、A380では名物の機内バーカウンターがなくとも6時間程度の夜行便ならば必要十分

航空会社
エミレーツ航空
便名
EK062
ビジネス
搭乗日
2017/08
路線
ハンブルク → ドバイ
機体記号
A6-EPJ
機材
Boeing 777-31H/ER
総評:4
4ッ星
機内食・ドリンク
5ッ星
座席(シート)
5ッ星
機内スタッフサービス
5ッ星
エンターティメント
5ッ星
トイレ・洗面台
5ッ星
機材コンディション
5ッ星
地上サービス
3ッ星
口コミ投稿者
HB-JMBさん
アクセス数
1,605
投稿日
2017/08/19

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ノンステータスのエコノミー格安運賃か... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    シェンゲン外への出国審査の可能(と思... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    本日のGateB52は保安検査終了後... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    本日の搭乗機A6-EPJと分かる部分... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    スポット番号06B(注:写真で切れて... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    本日のB52ゲートの出発案内表示。な... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    ビジネスクラスシート。搭乗時の状態。... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    自席11Kとその隣の席11J。ビジネ... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    座席の前部。なお、座席をベットモード... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    自席11Kと直近の窓。窓のシェードは... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    出発直前に水分を大量にとり過ぎため(... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    洗面台右側の備品入れ。タオルと化粧液... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    入室時の状態。ビジネスクラスでは予め... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    洗面台反対側の壁。花が飾られている点... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    エンタメシステムICEの初期画面。コ... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    自席11Kの足元。隣席の間にある小物... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    上級クラスではおなじみの(?)ウェル... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    夜行フライト用のアメニティキット。離... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    アメニティーキットの配布された状態と... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    本日の機材、フライトの詳細情報をエン... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ドバイ空港到着時に威力を発揮する入国... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ファストトラックパスの英語表記の裏に... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    本日の機内の飲食に関するメニュー。ワ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    飲食メニューとは別に配られるワインリ... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    隣席との間仕切りにあたる部分に取り付... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    エンタメコントローラーの脇にある、座... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    隣席の間仕切り部分にあるのと同じ機能... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食事のサービスに先立ち行われる、ドリ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食事サービスにあたり、テーブルにはテ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    本日の前菜。今回はサービスの流れが把... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    本日のメイン、シーフードをチョイス。... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    温められて提供されたパン。
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食後のデザート。前菜のところで述べた... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食後の暖かい飲み物。緑茶をチョイス。... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    赤い箱の中身。食後の暖かい飲み物と一... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食後テーブルクロスを片付けてもらい、... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    ビジネスクラス用のイヤフォン。
  • 写真の種類:機窓・風景
    機内の照明の関係で映りこみがひどくて... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    ドバイへの到着直前のエアショーの地図... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    高度を下げ、アラビア半島陸地が見えて... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    RWY12Lへのアプローチ時に進行方... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    お約束の?安全のしおり。なお、エミレ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    安全のしおり裏面
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    安全のしおり、開いた状態。
  • 写真の種類:座席(シート)
    座面を完全に寝せ、座席を就寝状態にし... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    11K席の座席と窓の関係。座席の真横... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    オープンスポットで降機する際、スポッ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    本日の使用スポットC32
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    フラッシュの使用を控えたため、ぼけて... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    本日のEK062便到着時刻。5時48... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    降機後、手荷物検査場にある到着案内表... 続き

総評

アップグレードの経緯:
 チェックインの際、マイルでのアップグレード、現金でのアップグレード56000円という表示で、深夜便で寝ていきたいが、A380ではないが、どうせ寝ていくんだからA380のように機内バーカウンターがなくてもいいか、でも56000円は・・・という葛藤(笑)の末、ついつい(?笑)アップグレードの操作をしてしまうことが始まり。本当はマイルで不足分マイルは購入してアックグレードするつもりだったが、25000マイルしか購入できなかったため、現金アップグレードを選択した次第。
 最後に書くが、ビジネスクラスが3分の1程度しか埋まっていなかったため、これならアップグレード操作が出発24時間前を切っても余裕を持ってでき、かつそんなに急がなくても(システム上の締め切りになるまでは)ビジネスのアップグレードの枠が埋まることはなさそうであったと搭乗時に感じた印象であった。エコノミーの搭乗率に関してはそれほど低くはなかったものと思われるが、出発間際のカウンターやゲートでのインボラアップグレードでビジネスに搭乗したと思われる乗客は見受けられなかったため、インボラアップグレードしないとオーバーブッキングで乗客の搭乗に難渋するほどではなかったものと思われる。

【機内食・ドリンク】
 本当はナイトフライトで寝て行きたいと思ってアップグレードしたが、せっかくなのでライトミールではと思ってしまい(笑)、今回はビジネス通常食のシーフードを選択。たらのグリルがメインであったが、味はとびきりとはいわないまでも、エコノミーよりは上質でまずまず、ビジネスクラスとしてはこの程度が標準なのではと思われる(注:国際線ビジネスクラスには生涯で3度目の搭乗での感覚なのをご容赦願いたい)。
 今回はヨーロッパ発ドバイ行きで2度目のエミレーツのビジネスクラスなので、前回のビジネスクラス利用時にサービスの流れをつかんでいたため(笑)、ワインを飲みすぎて眠くなりすぎて要所の写真を撮り損なわない程度に快適に過ごすことができた。前回のEKビジネスクラス利用時のレビューはこちら
 https://flyteam.jp/airline/emirates/review/15035

 ちなみにヨーロッパ発夜行フライトでは、ライトミールで短時間で食事を済ませるメニューも選択可能とのことである。ただし、せっかくメニューも配られビジネスクラスのスタイルで食事が提供されるとなると、せっかく夜行フライトで寝ていこうと思っているのに、短時間で食事を済ませられるライトミールを選ぶともったいないとか思ってしまい(上級クラス利用に慣れてないとこが丸出しで大変恐縮ですが・・・笑)、結局普通のスタイルの食事を選択した次第である。もっとも、この日は午後にそれなりに運動(普通タイプの自転車で平坦路を15キロ程度サイクリング)したのに夕食はとらずに搭乗してしまったので、かなり空腹ではあったのだが(笑)。

 なお、エコノミークラスで低脂肪特別食のリクエストを取り消さないままアップグレードし、搭乗の際低脂肪特別食のリクエストがされているがどうするか聞かれたが、取り消して通常ミールにしたいといったところ、すんなりと対応していただけた。

 なお、エコノミークラスだけでなくビジネスクラスでもヨーロッパ発夜行フライトでは朝食のサービスは基本的にはないので注意が必要である。

【座席(シート)】
 当初のアップグレードの経緯の通り、エミレーツのB777-300ERのライフラットのビジネスクラスの座席は当初はあまり期待していなかったが、6時間程度の夜行フライトでは役不足に感じることはなく思いのほか快適であった。フルフラットではなく、ライフラット式の座席ではあるが、6時間程度のレッドアイフライトで就寝する分には体が前方にずり落ちて寝にくいという状態にはならず、足が伸ばせて快適であった。むしろドバイ到着時に寝過ごすことを心配するほどであった(笑)。

 余談ではあるが、A6-EPJはB777としての製造番号1372で、2016年の1月~3月期にデリバリーを受けた機体である。昨年に導入が発表され、今年あたりから装備が開始されていると思われる最も新しいタイプのビジネスクラスの座席ではなく、従来からあるおなじみの座席の最終版のタイプとなるが、長年そしてエミレーツで多数導入され、導入初期の不具合もかなり克服されている状態と見受けられ後述するエンタメのマイナートラブル以外は動作も安定していた。

 なお、この座席で、例えば日本からドバイまで深夜発で10時間程度の飛行時間、あるいはそれ以上の飛行時間で時差の関係でしっかり就寝したフライトでライフラット特有の問題と言われる体が前方へずり落ちることなく快適に寝られるかは(なかなか上級クラスに縁遠いため(笑)、私自身この座席仕様の長時間フライトを経験したことがないため)未知数なところはある。

 隣が空席のせいもあり2-3-2の横並び配置であっても横方向のゆとりはエミレーツのA380の1-2-1配置のフルフラットビジネスクラスに近い水準であった。ただ、隣に乗客がいる場合、ライフラットで寝ていなければ注意すれば(「すみません」と声をかける必要はマナー上あるにせよ)、隣の乗客に席を立ってもらわなくても通路には出られるシートピッチはあったが、ライフラットで就寝中だとまたぐか、隣の乗客に少しフットレストを戻してもらう必要があるように思われる。

【機内スタッフ】
 べったりはしていないが、必要なときには気にかけてくれるサービス姿勢は特に夜行便では快適に過ごしやすい。
 なお、昼便のミュンヘン発ドバイ行きのように1人1人に担当クルーが挨拶にきて席の説明というのは(夜便だからか)行われず、搭乗時にウェルカムドリンクを持参した際に挨拶があったのみである。

【エンターティメント】
 この点に関してはエミレーツのA380と同等のものであり、夜行便では持て余すほどである。ただし、機体コンディションのところで述べるように、座席脇のコントローラー兼ミニモニターの画面表示がうまくなされず、操作がうまく受け付けられないというトラブルがあったものの、座席前の大型タッチスクリーンからの操作は問題なく、途中でエンタメ再起動が必要な状態にはならなかった。

【トイレ・洗面台】
 清掃状態は問題はない。トイレについては花が飾られていることとタオルが備え付けられていること以外はエコノミーと同じ。

【機材コンディション】
 座席動作やスイッチの程度はデリバリーを受けて2年も経過していない機体のためか、普通に使用する分にはボタンを押しても座席が動作しないとかスイッチが破損しているなどという気になる点はなかった。また機体に関して気になる音なども見受けられなかった。
 ただし、座席脇のコントローラーからエンタメを操作しようとすると操作がうまく受け付けられない状態で、コントローラー兼ミニモニターは使用不可能の表示になっていた。この点についてはエンタメおよび電気関係に関連するこの機体特有のちょっとした不具合(バグ)なのではと思われる。

【空港サービス】
 ここでは地上サービス全般について書き、評価に関わる部分となるので5部に分けてレビューを書く
 1.エミレーツのエコノミーからビジネスへのアップグレード条件厳格化ならびにサービス縮小:
 FFPのステータスがない場合にエコノミーの正規運賃以外からビジネスへのアップグレードでは出発の72時間を切った際にアックグレードするクラスに空席がある場合しかアップグレード受付ができなくなった。
 エコノミーからビジネスへのマイルや現金でのアップグレードに関しては、以下のサービスは利用できなくなった
 ・出発空港と到着空港でのリムジンサービス
 ・出発空港でのラウンジ利用(ただし、FFPのステータス保有者がそのステータスによる利用はできる)
 以下のサービスは引き続き、エコノミー格安運賃からビジネスへのアップグレードでも利用可能
 ・ビジネスクラスカウンター利用
 ・手荷物の優先引渡し(ビジネスクラス用のプライオリティータグ貼付)
 ・優先搭乗、
 ・出発空港および到着空港での保安検査やCIQのファストトラック利用
 そのため、ビジネスクラスの雰囲気やサービスを感じることができないわけではないためまだマシではある。おそらく次回ヨーロッパ発ドバイ便で72時間前にビジネスに空席がありドバイストップオーバーでマイルに余裕でもあろうもんなら、これでも思わず(笑)アップグレードしてしまいそうではある。
 2.ハンブルク空港の構造とラウンジの位置関係
 保安検査はTerminal1とTerminal2の間で行われ、保安検査を通過すると、Airport Plazaの保安検査後のエリアにでる。そこからゲートまで徒歩で10分程度移動ののち、ゲートで出国審査を行って搭乗という流れになる。なお、構造上保安検査場付近(Airport Plaza)ゲートでは出入国審査に対応するゲートはないようで、シェンゲン外への出国審査ができるゲートはラウンジのある場所から離れたところがアサインされるようである。Emirates Loungeは保安検査を通過したAirport Plaza内にあるが、ハンブルク空港の構造上Airport Plaza直近のゲートがアサインされるとは限らず、ゲートまで離れている上、ゲートでの出国審査のことを考えれば通常よりラウンジを早く後にする必要があるものと思われる。そのため仮にEmirates Loungeが使えたとしても、(ミュンヘンのTerminal1のようには)くつろげない可能性が考えられる。なお、Priority Passで使えるAirport LoungeもAirport Plaza内にあるため、事情はEmirates Loungeと同じと思われる。なお、今回はチェックインがぎりぎりとなった上、こうした空港の状況をハンブルク到着時に把握していたためAirport Loungeも利用しなかった。

 3.ハンブルク空港でのチェックイン
 1.で説明したとおりビジネスクラスカウンターを利用することが可能だったのでそこでチェックインと荷物預けを行った。当初オンラインチェックインでスマホに搭乗券を送付し、それを提示したが画面が暗くて読み取れないというトラブルがあったが係員はスムーズに紙の搭乗券を発券してくれた。その辺りのストレスを感じない対応はさすがである。なお、ビジネスクラスであってもハンブルクでは機内持込手荷物の重量や個数のチェックはドバイ以上に(成田のように)厳密に行っているようであった(とはいえビジネス以上はそもそも2個機内持込ができるので成田でエコノミーのときよりはうるさくは言われなかったが)。なお、もしエコノミーであれば、成田並みに厳しく言われそうな印象であるため、ドイツ(語圏)からEKで出発する場合には特にエコノミーでは(ロンドン発便のように)1個で免税品袋も基本はダメ、かつ重量は7kg以下を厳守と考えておくのが無難と思われる印象である。
 スポーツ用品(自転車)を預けたが、成田同様ハンブルクでは特殊手荷物のハンドリングにおける免責承認にサインを求められた。空港への到着が遅れ出発95分前に荷物を預けることとなったが、Rush扱いの記載(出発時間が迫っているので急いでハンドリングすることを求めるタグの記載)をされることもなく、何事もなくこの便に搭載され、ドバイで受け取ることができた。ただし、エコノミーであれば、成田発便並みに手荷物の扱いは厳格だった可能性が考えられるため、これだときちんと受託してくれていたかは少々疑問ではある。
 また、機内持込手荷物については、ビジネスクラスでは1個7キロまでのものを1人2個まで持ち込めるため、同社成田発のような事態にはならず、搭乗口で持ち込めるか否かでの押し問答はなかったが、地上係員とやりとりをした印象からいうと、エコノミークラスでは1個7キロまでの荷物を1人1個までという基準に関しては成田並みにかなり厳しいことを覚悟した方がよさそうな状況であるので注意されたい。余談だが、これはハンブルクだけでなく、少なくともドイツの他の空港から出発する場合(デュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘン)もこんな状況ではと思われる。ドイツ語圏でドイツ以外のウィーンとチューリッヒでは状況は不明であるものの、恐らくドイツ語圏のオーストリアやスイスの国民性を考えると、ドイツや日本と同じく、機内持込手荷物に関してはかなりシビアな状況を予期しておいた方がよいものと思われる。

 4.ドバイでオープンスポット到着時
 ドバイ到着時は例に漏れず(笑)、オープンスポット利用になった。とはいっても、Flydubaiなどが利用するTerminal2の横ではなく、そこよりは近いTerminal1の脇にあるオープンスポットへの到着になった。到着の際、ファーストクラス乗客が降機し空港内専用リムジンが出発するとすぐにビジネスクラス旅客が降機でき、ビジネスクラス専用のバスがあてがわれる。なお、このバスはエコノミーからビジネスへアックグレードした旅客でもビジネスクラス専用バスに乗ることが可能である。なお、このバスは通常エコノミークラスの旅客をオープンスポットからターミナルに搬送するバスと異なり、窓はクリアで一応外の写真撮影はできる程度である。また、内装も木目調の床シートが貼られ、革張りの座席となっている。
 
 5.ドバイの到着ターミナル内にて
 バスでターミナル到着後、ドバイを最終目的地とする方に進むと(バスでターミナルに入った際向かって左側の通路になる。右側通路はドバイで乗り継ぎをする旅客の順路である)、フロアを降り入国審査場に向かうことになるが、ここからがビジネスクラス以上の旅客の真骨頂である。
 ノーステイタスでエコノミーの格安運賃からビジネスクラスへのアップグレードであってもドバイ空港到着時のファストトラックパス利用券が配られ、それを入国審査入口係員に渡すと、上級旅客専用の入国審査ブースに案内される(入国審査場のため、その状況の写真撮影は控えたが・・・)。そうすると入国審査はものの5分で完了するという優れものである。一般レーンでは早朝6時ごろでも30~40分は入国審査待ちで待たされそうな状況である。
 その後機内持込手荷物の税関検査で荷物をX線に通した後、預けた荷物を引き取ることとなるが、ここでもビジネスクラスの手荷物のプライオリティータグの効果?とあいまって、ゲートからのバスの降り場にあるベンチ(上級旅客専用エリアではなく搭乗者は誰でも入れるパブリックエリア内)で5~10分程度機内持込荷物整理をしてから入国審査に向かったにもかかわらずスポットインからわずか40分程度で入国審査も済ませて手荷物も受け取れてしまうため、これは思わず病みつきに(笑)なってしまい、ヨーロッパからの帰路はわざとドバイでストップオーバーしてビジネスクラスへのアップグレードしたいと次回も思ってしまうほどである(ここがエミレーツのアップグレードの戦略の思うツボか・・・???笑)。
 そうした余談はさておき、この後税関検査を通過し、制限エリア内から外になる。なお、今回はエミレーツの無料リムジンサービスは使えないので、そのまま左に出てタクシー乗り場に進むことになる。タクシー乗り場までの途中にATMや両替所があり最低限必要となるタクシー代の現金を入手することは可能である。
 空港のタクシー乗り場から正規のタクシーを利用した場合、空港から15分程度の繁華街のDeira地区で70~80ディルハム(日本円で2000円程度)もあれば十分に行ける範囲で、タクシー台数はピーク時でも十分にある上、乗り場係員がうまく乗客をさばくため、タクシー移動でも思いのほかスムーズでそれほどストレスは感じなかった。したがって上級クラス用の無料リムジンサービスを受けられなくても、エコノミーからビジネスへのアックグレードであれば十分であるとの印象である(もちろんタクシー代は自分で払う必要はあるが)。ただし、最近ドバイでは白タクが多いせいか、タクシーは空港の正規の乗り場から利用するようにという注意喚起の掲示が空港出口の目立つところになされるようになったことから、ドバイ空港利用者は白タクの客引きを相手にしないように注意する必要はあるものと思われる。
 これは余談だが、ドバイで入国し、後で再び出発する場合、繁華街Deira地区からタクシーでDXB空港まで行く場合は最後100~150ディルハム程度は残しておかないとタクシー代を払えず、さりとて、ドバイ空港に到着してからATMで・・・となってもかなり遠いところにしかなくタクシー運転手の手を煩わせることになるので注意(ディルハムをできるだけ使い切りたいからと、実際には60ディルハム程度しか現金を持っていなかったところ、それでは足りずに真っ青という経験を今回してしまったので・・・)

【総合評価】
 2015年にノンステータスのエコノミー格安運賃からビジネスへのアップグレード条件は厳しくなり、サービスも縮小されたが、対象クラスに空席があってアップグレードが可能な状況で6時間程度の夜行便であればこれでも必要十分なサービスという印象であった。ただし、とはいえ、56000円のアップグレード料金に見合っていたかというと少々疑問ではある。たしか全部マイルを充当できていれば45000マイルか50000マイルだったと思われ、マイルであれば(Emirates Skywardで貯めたマイルが使える先を考えれば)少しはマシかもと思えるが、以前よりは割高な感じが否めない(必要マイル数も以前より上がっているので・・・)。総合評価を5から4に落とした理由は、サービスの質の問題ではなく、コストパフォーマンスが優れているかは少々微妙であったためである。
 結論を言うと、今回提示されたアップグレード代金に見合った価値であったという問いに対しては自信をもって「はい」とは言い切れず、思ったより高かったと(冷静になって考えると)感じてしまう状況ではあるが(エミレーツのB777のビジネスはどうなのかということを試してみたくて値段のことは多少目をつぶってアックグレードした面があるので)。
 メリットとしては足を伸ばせる座席とエコノミークラスよりはランクアップした食事や飲み物、乗務員の対応、地上での優先サービスであるが、とりわけ便利だったのはドバイでの入国審査ファストトラックと優先手荷物引渡しと優先降機という状況である。ただし、1区間だけアップグレードする際、ある地点からドバイ経由でEKを利用する際、ドバイ到着時の便をアックグレードし、ドバイ以遠はエコノミーだと、入国審査ファストトラックの対象にはならない上、入国審査ファストトラックはドバイの入国審査の待ち時間だからこそ威力を発揮するという点に注意しなくてはならない。
 また、ある地点からドバイまではエコノミーだが、ドバイ以遠でアップグレードする場合、最終目的地の入国手続きの状況によっては入国審査のファストトラックのメリットはあまりないという状況も考えられるのでその点は留意が必要となる。また、プライオリティタグのメリットを享受するには、一旦ドバイに入国し、ドバイでチェックインする必要があるという点にも留意しなくてはならない(ドバイで再チェックインのないスルーチェックインでドバイ以遠のみアップグレードではプライオリティタグはつかないものと思われるため)
 B777-300ERの2-3-2横並び配置のライフラットという、自社のA380はおろか、他社(特にライバルとなる中東系やトルコのキャリアの他機種のワイドボディー機)と比べるとグレードが1段劣るとも言われるビジネスクラスの座席が装備されているが、6時間程度の夜行便で利用する分には実質的な快適性がいわゆる個室仕様のフルフラットと比べて大幅に劣って不満が残るほどではない。ライフラットでも十分に休息できるという点では及第点であり、乗務員の対応もさすがは上級クラスという印象で2-3-2のライフラット、ついでにいうとA380にある機内バーがないという不利さをカバーするには余りあるほどである。
 。
 今回はたまたま隣が空席であったので、窮屈な感じがせず、思いのほか快適に過ごせたという印象があるが、隣の席に人が座っていた場合にはその限りではない。また、私の隣の席に限らずこの便のビジネスクラス搭乗率は半分を大きく下回り、2-3-2の座席配置で、2と3と2にそれぞれ1人ずつしか座っていないという極めてガラガラの状態であったため(2人連れの乗客が窓側の2に並んで座っていたり、3の一部座席で真ん中を空けて座っている箇所が1箇所ぐらいあったかという程度。かつ11列目の通路側の3列部分は誰も人が座っていなかった)、窮屈な感じがせず、かつサービスにもかなり余裕があるという状態での評価であるということを特筆しておく。
 2017/9/6修正 7月の成田~ドバイ線のレビュー修正を受け、出発時のグランドハンドリングについての分析を変更の上、記載内容を変更。
 2017/12/15 機内食と空港サービスと総合評価のの記述を追加変更
 2017/12/15 再投稿
 
 

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
11K
搭乗クラス
C
区間マイル
3187mi
出発予定時刻
2135LT
搭乗時刻
2050LT
出発時刻
2137LT
飛行高度
FL330
到着予定時刻
0545LT
到着時刻
0549LT
予定飛行時間
5+45
出発ゲート・スポット
Gate B52+B53/Spot A06
離陸滑走路
33
離陸時刻
2147LT
到着ゲート・スポット
Spot C32
着陸滑走路
12L
着陸時刻
0538LT
メモ
HAM=UTC+2 DXB=UTC+4 DXB到着はオープンスポット。巡航中は途中で高度変更せずFL330のまま。DXBへの降下時、FL270でのレベルフライトあり。また、シートベルト着用サインは0509LT(DXB)に点灯したが、ペルシャ湾上でのホールディングがあった関係で予定飛行時間より20分ほど余分に飛行した

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