2017年秋の帰国旅行8便目:思わぬトラブル(プラスちょっと番外でAさんとJさんのビジ比べ) - タイ国際航空 口コミ・評価

航空会社 タイ国際航空

2024年04月15日に撮影されたタイ国際航空の航空機写真

© じーく。さん

タイ
IATA | ICAO
TG | THA
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
2017年秋の帰国旅行8便目:思わぬトラブル(プラスちょっと番外でAさんとJさんのビジ比べ)

航空会社
タイ国際航空
便名
TG940
ビジネス
搭乗日
2017/11
路線
スワンナプーム(バンコク) → マルペンサ(ミラノ)
機体記号
HS-THC
機材
Airbus A350-941XWB
総評:5
5ッ星
機内食・ドリンク
5ッ星
座席(シート)
5ッ星
機内スタッフサービス
5ッ星
エンターティメント
4ッ星
トイレ・洗面台
5ッ星
機材コンディション
5ッ星
地上サービス
4ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
1,082
投稿日
2017/11/20

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    バス輸送での搭乗だったので、うまく機... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    自分の座った席。窓側のソロ席で、プラ... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    座った状態で前を見た様子。足元のスペ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    離陸前にいただいたウェルカムドリンク... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    離陸後のドリンクサービス。赤ワインの... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    タイ料理の前菜。海老を添えた豚ひき肉... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    前菜が運ばれて、すぐ後に目の前に置か... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    タイ料理のメイン。豚の頬肉入りパイナ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    タイのデザート。不可解でしたが、フル... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    新しいA350はトイレもきれいです。... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    この便では、毛布と枕の他にベッドカバ... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    到着1半前に出た朝食。チーズオムレツ... 続き

総評

バンコクの空港って、もっと明るくて色鮮やかな雰囲気なのかと思ったら、けっこう殺風景なんですね。ドバイなどと違い、到着に向かう人の数は夥しいですけど、乗り継ぎはまばらです。しかし、飛行機を降りてから乗り継ぎのセュリティチェックまで、そこから次のゲートまでと、相当歩かされました。その時点ですでに深夜なので、東京から長旅をしてきた身にはやっぱりこたえます。幸い、ビジネスだったので、ラウンジでシャワーを使えたのは、すごく助かりました。

さて、今度の便は新しいA350-900です。当然ビジネスクラスの座席もきっとピカピカで最新技術が駆使されているのだろうなと、ワクワクしました。A350はもともと、B787に対抗するための策として開発が始まりました。ボーイングはB787を、A330をおびやかす存在として位置づけました。エアバスは最初、そんなことをものともしませんでしたが、787に対抗する機材を求める声が色々な航空会社から出てきたのを受けて、2004年に新しいプロジェクトを発表します。当初は、A330を改良したようなものを考えたようですが、新しい設計としてA350と正式に名付けられ、2005年にカタール航空がローンチカスタマーとしてこれを発注しました。(このとき、エミレーツは今一つだとして発注を渋っています。)

当初の設計では、A330と同様の胴体が使われていましたが、それではB787に対応するための応急策でしかないというような批判が出たり、カンタスやシンガポールなどの大手エアラインがB787の方を選んでしまうなど、エアバスにとっては、考え直さざるを得ない状況になります。そして、2006年の夏に新しいA350-XWB(「エクストラ・ワイド・ボディ―」の略)のデザインが発表されました。主として、文字通り胴体の幅がやや広くなり、乗客が座った時の頭の位置で測った場合、B787よりも約13センチ広く、B777よりも28センチ狭いということで、当初の設計では2-4-2で考えられていたのが、3-3-3のコンフィギュが可能になりました。B787は3-3-3、B777は3-4-3が主流になっている中、実際に広さを体感できるかどうかは別として、この設計では横幅にややゆとりができるということですね。

それにしても、新しい機材を開発するのって、戦略的な意思決定から、予算の資金計画、機材の設計、エンジンからナビゲーションシステムから座席からエンタメシステムから、各部分を誰が提供するか交渉やら話し合いを繰り返したり、組み立てができてもテストや試験飛行、認可取得など、本当にいろんな段階があって時間がかかるものなんですね。こうして本格的に始まった新機材の開発、実際のモノがデリバリされたのは、始まりから10年もたった2014年の12月のことで、ローンチカスタマーのカタールが、翌年の1月にドーハからフランクフルトまで飛ばしたのが最初でした。それ以来、2017年夏の時点で94機ほどデリバリーされていますが、大きなところではカタールに加えて、シンガポール、キャセイ、フィンエアー、ベトナム航空などが積極的に導入していますね。タイ国際航空は今のところ7機しか持っていないので、今回これに乗れたのは本当にラッキーだったわけです。

それ以外に、すでに発注済みでデリバリを待っているエアラインは、中国国際航空、チャイナエアライン、アシアナなどアジア系が大多数を占めていて、その中に日本のJALもちゃんと入っているのです。これまで日系はANAもJALも、ワイドボディ機材はボーイング一辺倒の傾向があったので、2013年にJALがA350の発注に踏み切ったのはすごいことだったんですね。JALのデリバリは2019年度以降で、国内線、国際線ともに今使っているB777をすべて入れ替えていく予定のようです。なので、今B777で運航している伊丹や福岡、札幌、那覇といった路線にお目見えする日もそう遠くないということですね。

一方のANAは今のところA350の発注予定はないようです。B787のローンチカスタマーだったANAが、それに対抗する機材として開発されたA350を導入する気があるとも思えないですけど、逆にA350に対抗するB777Xはまだ1機も製造されていなくて、これを導入できるのはずっと先のことになってしまうので、2019年度からJALがA350を飛ばし始めてから、ANAは新鋭機のない間のギャップをどう埋めていくのか、注目されるところでしょうか。ANAの国内線にはJALが飛ばしていないB787という武器があると思うかもしれませんが、JALは2019年からついに国内線にB787も導入する予定のようなので、機材の面でANAに勝負をかける狙いなのでしょうか。

さて、JALとANAの話題が出たところで、この前の便のレビューで、ビジネスクラスと言ってもピンからキリまであるということを書いたことだし、この2社をビジネスクラスをちょっと比べてみました。そうしたら、へえー、と思うような点がいくつか見つかりました。

座席。Aさんのスタガードシートは、B787もB777も1-2-1の配列なのに対し、Jさんのスカイスイートは、B787は2-2-2、B777になると2-3-2の配列です。なので、キャビン内はかなり詰め込み感があり、シート内では閉塞感や圧迫感があるのではないかと想像してしまいます。ただし、一番新しいスカイスイートIIIではそういう問題は解消されているようですし、今後導入されるA350にはもちろん最新のシートが配置されるのでしょうから、このあたりの比較も、そのうち互角になるでしょうね。

アミューズ。離陸後のドリンクサービスと一緒に出てくるアミューズですが、Aさんは四角いお皿に数品目、美しく盛られて出てきます。(これは世界でも本当にトップレベルで、キャビアこそありませんけど、ファーストクラスで出るアミューズに十分引けを取らない内容かもしれないと思うほどです。)10時間以上の長距離欧米路線も、8時間以下の中距離東南アジア路線も同じです。一方、Jさんの方は、長距離路線だと白い小鉢が2つ、中距離路線の場合は、なんとエコノミーでよく見かけるような袋入りあられが2つです。

前菜(和食)。Aさんの方は、和食器で出てきます。長方形のお皿に数品目、あと小鉢が2つ。Jさんの方は、お弁当のような箱に入って出てきます(が、箱の中の5つのマスのうち、一部には小さい和食器が収まっています。それ以外はワックスペーパーのようなものに盛られていて、いかにもお弁当風です)。それに、あのすべて陶器やガラスの和食器で9品目入っていて大変豪華に見えた正方形の箱は、いつの間にか3分の2くらいの大きさの長方形の箱に縮小されています。味のバラエティやボリュームは似たようなものではないかと思いますが、自分でお弁当の箱を開けていただくのと、配膳された和食器からいただくのとで、個人の好みがわかれるところでしょうか。

メイン(和食)。両方ともほぼ同じような感じで、長方形のお皿に盛った魚料理、ごはん、みそ汁、香の物といった内容ですね。

ホノルル便。距離の割にサービスが簡素化されているようです。Aさんはアミューズなし。両者とも、前菜とメインが一緒にセットされてトレーに載せて出てきます。前菜は両者とも箱入りで、Jさんの方は長距離便のように和食器が収まっているマスはなく、すべて透明プラスチックの容器だったり、シソの葉もどきだったりと、いかにもお弁当風で、内容も長距離便のものより貧弱に見えます。Aさんの前菜の箱には、かろうじて安そうな陶器製食器が収まっているマスがありますが、一つはお新香だったりして、内容がかなり貧弱です。さらにAさんの方は、ごはんがお茶碗ではなく、長方形のお皿に俵ご飯の形で、おかずと一緒に載ってきます。Jさんは一応ごはんはお茶碗で出てきます。ホノルルより距離が短い東南アジア線でも、立派な前菜とメインが順番に出てくるのに、サービスのダウングレードのような気もしますが、もしかして、これは時間帯が遅いから、寝る時間を余計に確保するための配慮なのでしょうか。(ただし、昼間出発の復路便も同様です。)
(これらは、動画や写真などから調べたもので、自分で実際に体験したわけではないので、間違っていたら是非教えてください。)

あ、タイ航空のレビューなのに、全然関係ない話になってしまってすみません。

とりあえず、無事にトランジットのプロセスを抜けて、気分を新たにしながら搭乗しました。ロイヤルシルクと書いたプラカードを持って係員が立っているのを確認すると、無秩序に群がる人たちを縫うように潜り抜けて前へ進み出て優先搭乗。席の前では、「私があなたのお世話をします」と挨拶をして、担当のCAさんがにこやかに迎えてくれました。席に落ち着き、シャンパンをいただいて、ほぼ定刻でプッシュバック。

と、そこまではよかったのですが、ノロノロと、ずいぶん時間をかけて長い距離をタキシングして、やっと滑走路の端に到達し、離陸の順番を待っているのかと思ったら、随分待った挙げ句に、機材の不具合があるから離陸できない、ゲートに引き返すとのアナウンス。 バス輸送での搭乗だったので、もともと駐機していた場所へ。タラップをつけてドアを開けたかと思うと、エンジニアが2人ほど乗ってきてコックピットへ。それから車が何台も乗り付けて、翼の下で何やら作業を開始。暫くすると、CAさんがきて、この飛行機は飛ばせないから、別の機材に移動する、ターミナルに一旦戻って貰うことになる旨、もう少ししたら機長からアナウンスがあります、などと恐ろしいことを言われました。

だとしたら、30分や1時間では済まないだろう。数少ないA350だし、機材繰りはどうするんだろう。こんな長距離便だし、勤務時間制限超過で乗務員も急遽交代するんだろうか。ハブのバンコクだから比較的調達しやすいとはいえ、こんな夜中にリザーブの人がそんなにいて、すぐ駆けつけられるのか。と、色々な疑問が頭をよぎります。

しかし、そんな不吉なアナウンスはないまま、作業は続行され、1時間位たったころに、作業トラックなどが機体から離れて去っていきました。そしてベルトサインが再び点灯して、何事もなかったように、飛行機は離陸しました。3時間遅れの出発でした。

離陸後、ドリンクとおつまみが運ばれてきましたが、それをゆっくり楽しむ時間も与えられず、かなりせかせかとしたペースでどんどんと食事サービスになだれ込むような感じで進められました。食べずに寝ている人もいる様子でした。僕は前の便でもお腹いっぱい食べているし、全然空腹ではありませんでしたが、またいつ乗れるかわからないビジネスクラスです。タイ料理を選択すると、洋食と違い、前菜、スープ、カレー、ごはん等が全部一緒に出てくるので、時間が遅いことだし、食事は早めに切り上げてサッサと寝たほうがいいと思って選びました。ホノルル便のサービスを観察しておいたのが、こんなところでヒントになって役立つとは・・・。

と思ったのに、なぜか、前菜だけ最初に運ばれてきて、しかも、イタリア行きらしくガーリックブレッドが入ったパン3種が続いて運ばれてきてポンと目の前に置かれました。パンなんて合わないし、これはタイ料理についてるものじゃないはずなのに・・・と思いながらも、味見のつもりで一応ガーリックブレッドを食べてみました。その次に、それ以外の物がトレーにセットされた状態で運ばれてきて、前菜はトレーごと下げられたので、パンも残りの2つはうんもすんも言わさずにサッと取り上げられました。(笑)食べるつもりなかったからいいですけど。でもちょっと、余裕のない感じのサービスだったのが、やや残念です。

メインは、スープにもカレーにも、お肉がゴロゴロ。前菜も豚のひき肉だったので、本当に肉の多い食事で、はっきり言って苦しい・・・。それでも、根性で全て完食。苦しかったけど、美味しい機内食でした。

途中、好きな時にオーダーできる食事のメニューもありましたが、さすがにそれは・・・。ちょっと無理でした。

この便では、ちゃんとベッドカバーも提供されました。おかげで、5時間くらいはちゃんと眠れました。到着2時間前に、朝食のサービスがありましたが、こちらもすごいボリュームで、とてもおいしい朝食でした。

飛行機は1時間挽回して、結局到着は2時間遅れ。でも、前もって安い値段で切符を買ってあった列車にはもちろん乗れず、通常料金で新しく、後の列車の切符を買い直す羽目になりました。まあ、遅れたことを除けば、フライト自体はとても快適で、思い出に残るビジネスクラスの体験だったし、時間が遅くなっても、この日の目的地(インスブルック)には無事に着けたのだから、よしとします。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
15K
搭乗クラス
ビジネスクラス
区間マイル
5,620
出発予定時刻
0:35
出発時刻
3:30
到着予定時刻
7:10
到着時刻
9:20
予定飛行時間
12:35

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