KLMパネル脱落事案、過去に類似事案11件 新たなSBで対応

KLMパネル脱落事案、過去に類似事案11件 新たなSBで対応

ニュース画像 1枚目:脱落したパネル
© 運輸安全委員会
脱落したパネル

運輸安全委員会は2018年11月29日(木)、2017年9月に発生したKLMオランダ航空の重大インシデントについて報告書を公表しました。この事案は、777-200ERの機体記号(レジ)「PH-BQC」がKL0868便として関西国際空港を10時39分ごろに離陸、大阪市付近上空を上昇中の10時39分ごろに右主翼後縁付け根上方の胴体パネル1枚が脱落、大阪市北区付近を走行中の車両に衝突しました。

12時55分ごろKLM関西空港支店は脱落したパネルの写真情報を警察署から入手、本社へ送付し、14時27分ごろKLMオペレーション・コントロール・センター(OCC)は同機のパネル脱落の疑いを運航中の機体に連絡、機長が機体の操縦性、異音等を総合的に判断、運航を継続しました。OCCは引き続きボーイングに確認、こうした事案が過去にも発生し、機体構造に影響は無いとの情報を得て、アムステルダムまで飛行を継続しました。到着後の整備士による検査で、右主翼後縁付け根上方の胴体フェアリングのパネル番号198ARの脱落が確認されました。

ボーイングによると、この重大インシデントを含め、同種パネル脱落はこれまで11件発生しており、このうち10件が777-200、1件が777-300でした。サービス・ブリテン(SB)でラインナンバー(LN)94から524に胴体フェアリングを固定するスクリューの緩みに対応する内容、パネルが密着していない状況で視認による確認が必要との内容でLN508から543までの-300と-300ERを対象とした内容が発出されています。

今回の事案は誤部品が使用されていたものの、これがパネル内部への空気流入の痕跡は認められず、脱落の要因に繋がった可能性は低いとしています。このパネル脱落は、パネルの前方上部を機体側に押さえつけて固定するブラケットが破損、パネルの前方上部と機体との間に隙間が生じ、流れ込んだ空気の圧力と振動によって脱落したものとみています。

報告書では、ボーイングがSBでパネル脱落の可能性を指摘しているものの、対象が-300、-300ERで、今回の-200系統では無いため、同等の措置を求めています。これを受けて、2018年3月に改良型ブラケットへ交換を指示するSBを発行、LN1から699まで対象となっており、KLMは2017年12月までに全機で改良型への交換を済ませています。

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