JA06FJの重大インシデント、ファンエアバルブ作動不良で気圧低下か

JA06FJの重大インシデント、ファンエアバルブ作動不良で気圧低下か

運輸安全委員会は2018年11月29日(木)、フジドリームエアラインズ(FDA)のERJ170-200STD、機体記号(レジ)「JA06FJ」の重大インシデントについて報告書を公表しました。この事案は2015年7月7日(火)、FDA212便として新千歳空港を離陸、松本空港へ飛行中に左右両系統のブリードエアの供給が停止し機内の気圧が低下したことから、緊急事態を宣言して高度10,000フィートまで緊急降下し、目的地を新潟空港に変更、着陸しています。

報告書は、この重大インシデントは左右両系統のブリードエアの供給がほぼ同時に停止し、航空機内の気圧の異常な低下が発生したと推定しています。装備品の取り下ろし調査では、左右のファンエアバルブとも規定値を外れる値が確認され、バルブの開度確認の検査時は左右共にフルオープンにならず、左はフルクローズにもなりませんでした。左右ともリンケージの磨耗、腐食のほか、内部のエアフィルターに少量の微粒子が発見されています。

このためブリードエアの供給停止については、左右のファンエアバルブの作動不良により、冷却用のファンエアの流入が制限され、ブリードエアが高温となってそれぞれのナセル・プレッシャー・レギュレーティング・シャットオフ・バルブ(NAPRSOV)が閉じたものと考えられると報告書はまとめています。

これを受け、FDAはファンエアバルブの交換を進めたほか、デュアル・フェイラーの可能性があるシステムについて重点的にモニターするよう業務を改定したほか、ファンエアバルブのモニター方法の設定と不具合を未然に防ぐ体制を構築しました。なお、同社は新たなファンエアバルブが開発されたことを受け、2017年4月から順次採用し、試験運用を開始しています。

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