エチオピア運輸省、737MAX墜落初期調査で制御システム見直し求める

エチオピア運輸省、737MAX墜落初期調査で制御システム見直し求める

ニュース画像 1枚目:ET-AVJのDFDR
© Ethiopia, Ministry of Transport
ET-AVJのDFDR

エチオピア運輸省の航空事故調査委員会は2019年4月4日(木)、エチオピア航空の737-8-MAX、ET302便として運航した機体記号(レジ)「ET-AVJ」の墜落について調査の初期段階の結果をまとめた暫定報告書を公表しました。

エチオピア航空の「ET-AVJ」は、事故当日にアディスアベバを離陸、ケニアのナイロビに向けて離陸後、迎角(AOA)センサーの記録値の異常があり、対気速度と高度計の値から、機体は右側に航路を逸脱し、機長は機体の操縦や飛行経路を維持できず出発空港に戻る判断をしたものの、制御できずに墜落しました。

離陸直後から左側のAOAセンサーの値がずれはじめ飛行中は大きくなり、オートパイロット解除後も自動機首下げが記録されていました。その際に手動での操作が機能していないことをパイロットは認識したともまとめています。

報告書で示されているフライトデータレコーダ(FDR)によると、失速を防ぐ自動制御システム(MCAS)が離陸した1分前後に作動し、墜落時まで一貫して作動し続けていることが確認されています。報告書は事故原因を特定していないものの、パイロットは機体を制御できない状態で墜落に至ったとしています。

報告書では安全性についてMCASに関連する飛行制御システムの見直しを含め、ボーイングなどに対応を求めています。また、737 MAXの運航再開にあたり、認可機関のアメリカ連邦航空局(FAA)にボーイングが対応する操縦性が適切に対処されているかを確認するよう求めています。

この発表を受け、エチオピア航空はパイロットが緊急事態に対処するため、ボーイングの推奨、FAAの承認した緊急手順に従った対処にもかかわらず、機首の下向きになる状態を回復できなかったことは残念とコメントし、引き続き詳細な分析と、継続される調査に全面的に協力する姿勢です。

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