運輸安全委員会 、2017年に発生したJAL機の発動機破損で調査報告

運輸安全委員会 、2017年に発生したJAL機の発動機破損で調査報告

ニュース画像 1枚目:LPT第5段静翼セグメントの詳細調査
© 運輸安全委員会
LPT第5段静翼セグメントの詳細調査

運輸安全委員会は2019年10月31日(木)、2017年9月に羽田空港で発生した、日本航空(JAL)機の発動機破損について、調査報告書を公表しました。

この事案は2017年9月5日(火)、JALの777-300、機体番号(レジ)「JA743J」が、羽田空港の滑走路34Rから離陸直後、左側の第1エンジンから異音と不具合が発生したことを示す計器表示があったため、同エンジンを停止し、管制上の優先権を得て羽田空港に着陸したものです。第1エンジンは、低圧タービンの複数段の静翼と動翼が損傷し、タービン・リア・フレームに開口が発生していました。

報告書によると、「JA743J」は離陸直後に第1エンジンの低圧タービン(LPT)の複数段の静翼と、動翼が損傷し、それらの破片がタービン・リア・フレームに衝突し、開口が発生したとみています。また、LPTの複数段の静翼と動翼の損傷については、LPT第5段静翼の1枚が破断し、これはアーチバインディングによる応力集中により生じた亀裂が、エンジンの運転による繰り返し応力で破断したとみています。

再発防止策として、エンジン製造者は、LPT第5段静翼のセグメントの間隙を広げる改修や亀裂の有無の点検について技術通報の改訂を実施したほか、今後も継続して、LPT第5段静翼セグメントの点検結果を注視し、その結果に基づく対応を実施します。JALは第5段静翼セグメントの間隙を広げる対応を実施し、運用中で対応されていないLPT第5段静翼についてはボアスコープを使用し、亀裂の有無を継続的に確認します。

事案発生時の「JA743J」は、羽田発ニューヨーク・JFK着のJL006便として運航していました。この便は10時41分にゲート112番を出発し、房総半島沖合を飛行した後、12時55分に羽田空港に引き返しています。

この記事に関連するニュース
メニューを開く