成田国際空港の20年3月期、コロナや施設改修費用で震災以来の減収減益

成田国際空港の20年3月期、コロナや施設改修費用で震災以来の減収減益

ニュース画像 1枚目:成田空港 イメージ
© 京成バス
成田空港 イメージ

成田国際空港(NAA)は2020年3月期連結決算について、東日本大震災発生時の2011年度決算以来、8年ぶりに減収減益となったと発表しました。売上高は前期比95.0%の2,371億円、営業利益前期比73.0%の407億円、経常利益前期比73.0%の391億円、純利益は前期比68.3%の244億円でした。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響により、国際線旅客便が減少したものの、庄内線の新規就航、長崎、高知、下地島線の通年化などで航空旅客数の全体では微増となり、空港使用料収入も微増となりました。

しかし、国際線では新型肺炎による入国制限・渡航自粛が強まり、国際線旅客数が減少し、旅客施設使用料収入、物販・飲食収入、構内営業料収入はいずれも減収となっています。このほか、東京オリンピックに向けた施設改修費用なども減益要因の1つです。

なお、NAAはパンデミックによる危機を乗り越えるため、3月に着陸料と停留料の支払い猶予や事務室賃料、構内営業料などの減免による過去最大規模の緊急措置を講じています。5月から支払い猶予の対象料金や猶予期間を拡大し、事務室賃料、構内営業料等の更なる減免を行う追加措置を実施しています。2021年3月期は、パンデミックの収束時期が不明で業績予測が困難なため、予測が可能となった時点で公表する方針です。

成田空港は現在、4月12日からB滑走路を一時閉鎖し、4月20日から旅客ターミナル施設も一部閉鎖し、経験したことのない苦境を乗り越える対応を講じています。また、各国の収束動向を踏まえた渡航制限の緩和が国際拠点空港としての役割を果たす前提のため、各国の渡航制限の動向、国際機関の指針などを視野に入れ、必要な感染症防止策を積極的に取り入れる方針です。

メニューを開く