ボーイングは2020年10月6日(火)、新型コロナウイルス・パンデミックの影響を反映した2020年版の市場予想「ボーイング・マーケット・アウトルック(BMO)」を発表しました。防衛・政府機関の市場は安定しているものの、民間航空・サービス関連はパンデミックの影響を受け続ける予測です。10年単位の機数は、2019年の予測から11%減となる見込みです。
BMOは、今後10年間の総市場価値を8.5兆ドルと予測し、パンデミック前の1年前の予測から8.7兆ドル減としています。世界の航空会社は、旅客数と収益の90%を超える減少を記録した時期から回復を始めていますが、完全な回復に数年が必要との前提に立っています。
BMOはこうした前提を反映し、今後10年間の民間航空機は18,350機の需要と予測しました。これは2019年の予測と比べ11%減です。長期的には、業界の成長は安定的に推移すると予想し、成長傾向に戻り20年間で見ると43,000機以上の新造機の需要があると見込んでいます。
パンデミックの影響が続く中、ボーイングは現在の市況に対応し、長期的な回復力を高めるため、事業の再構築に取り組んでいます。組織体制、投資、サプライチェーンの健全性、オペレーションなどあらゆる要素を対象としています。
■ボーイング予測2020-2039年の航空機需要
リージョナルジェット(90席以下):2,430機
単通路機(シングルアイル):32,270機
広胴機(ワイドボディ):7,480機
貨物ワイドボディ:930機
合計:43,110機