KC-390ミレニアム、アラスカで極寒テスト 将来の南極任務に備え

KC-390ミレニアム、アラスカで極寒テスト 将来の南極任務に備え

ニュース画像 1枚目:アラスカに到着したKC-390ミレニアム
© Força Aérea Brasileira
アラスカに到着したKC-390ミレニアム

ブラジル空軍(FAB)とエンブラエルは2021年2月8日(月)、アメリカ・アラスカ州でKC-390ミレニアムの極寒テストを開始しました。極低温条件の厳しい環境下で、KC-390に搭載するシステムの堅牢性を検証することが目的です。この機種は、南極への派遣も検討されています。

極寒テストは、航空機が極低温環境に長時間滞在した場合に、システム障害が発生する可能性を調査・確認することで、機体の成熟度を高めるために実施されます。この機種が運航できない環境を明確にし、極限状態で対応を確認し、今後の改善につなげます。

テストに使用するKC-390は、アナポリス空軍基地を出発し、ボア・ヴィスタ国際空港を経由し、アメリカ・ジャクソンビルに到着。さらに、アメリカ国内を横断し、モーゼス・レイクを経て、アラスカ州のフェアバンクスまで移動しました。ブラジル空軍の試験運用部隊が計画をたて、テストエンジニアが同乗し、エンブラエルのスタッフも同行しています。移動距離は直線距離の合計で12,558キロメートルに及び、KC-390での最も長い運用飛行時間を記録しました。

フェアバンクスでは、氷点下37.8度の環境下で外気に長時間晒された後、機体の動作確認を実施。アビオニクス、電気系統、油圧、飛行制御、燃料、エンジン、補助動力装置(APU)、レーダーなどのシステムが正しく機能するか検証されました。

ブラジル空軍は近く、南極プログラム(PROANTAR)の任務にKC-390の投入を計画しています。この任務に使用する航空機として、今回の極寒テストは大きな意味を持ちます。

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