小学館から新創刊された「ドラえもん ふしぎのサイエンス」をご存じでしょうか。
小学館から新創刊された「ドラえもん ふしぎのサイエンス」をご存じでしょうか。そのタイトルからも簡単にわかるとおり、ドラえもんのキャラクターとともに楽しく科学を学習するという子ども向けのムックです。
創刊号が2012年7月6日に発売されたばかりですが、増刷が必要になるほど売れ行きがいいそう。その理由は、ふろくについている「空飛ぶドラえもん手回し発電タケコプター」の魅力に凝縮されているといってもいいでしょう。いや、本の内容も、まんがを多用しておりとてもわかりやすいので楽しいのですが、主に大人が、ふろく目当て買っていると思われます。
なぜって、それはあたくしがそうだからです。ウチの娘は4歳。まだ科学の「か」の字も教えていませんし、興味もありません。しかし、子どもの教育の名目でなら、1,500円の支出も惜しくないというもの。近所の本屋では売り切れだったため、アマゾンで購入。1,500円なら送料無料でうれしさ倍増です。
届いたブツはふつうの雑誌よりもちょっと大きくA4変形サイズ、ふろくがあるため厚さも4センチくらいあります。ムック本自体はオールカラーですが68ページと、ちょっと薄め。巻頭特集は「空を飛ぶしくみ」で、飛行機はもちろん、ヘリコプターや鳥などの「飛ぶしくみ」が詳しく図解されています。でも、なぜか飛行機の説明に使われている解剖図がボーイング747。まぁ、飛ぶ仕組みを説明するだけですからいいんですけれども。ほか、飛行機の歴史などもあり、航空オタク入門という感じの作りになっています。ほかの記事は特に航空とは関係ありません。
おそらく購入した人の8割は冊子を読む前にふろくのほうを組み立てているはず。冊子はふろくの説明書扱いとなっていることは間違いないと思われます。かくいうあたくしも、さっそく組み立てを開始しました。
部品自体は10個しかなく、すっごく簡単そう。ちょっと機械に詳しい人なら説明書がなくても組み立てられるのでは。しかしもちろんあたくしは説明書を見ながらの制作です。おもしろがって伸びてくる娘の手を払いのけながらの作業は15分くらい。ふつうの人なら5分から10分程度でできるでしょう。のりやドライバーなど一切使わず、開けた瞬間すぐにでも組み立てられるほど簡単です。
完成した「空飛ぶドラえもん」は、タケコプターのプロペラは2枚、ドラえもんは発泡スチロール製ですごく軽いのですが、「ホントに飛ぶのか?」とつい思ってしまいます。
疑うよりやってみるが易し(?)、さっそく飛ばしてみましょう。説明書によると、「テーブルなどの台の上に置いてからハンドルを回す」とのこと。「いきなり強く回さな
い」と注意書きがしてあったので、ゆっくりとハンドルを回します。そっと回しただけでもけっこうぶぅ~んと勢いよくプロペラが回り始めますが、それだけでは飛び上がりません。
そばで見ている娘のコーフンは最高潮に達しつつあります。「早く飛んで~!」と言われゴッツンと殴られるドラえもん。マイクロモーターにつながっているコードは極細だし、飛ぶ前に壊れそうです。
もう少し強く回してみます。
が、「まだ飛ばず・・・」と思った瞬間、ふわっと浮かび上がりました!
「わっ 飛んだ!!」と、飛ばすためにずっとハンドルを回していたくせに、実際に飛ぶと思わず驚いて叫んでしまいます。この瞬間は、親もさることながら、娘も大コーフン。「鼻血が出て失神するんじゃないか?」と心配になるほどに感極まって部屋中を跳ね回っていました。
ふんわふんわと優雅に飛ぶドラえもんですが、ハンドルを回す手をちょっとでも緩めるとすぐに落下します。しかも、コントロール不能。右へ左へとドラえもんは縦横無尽にふんわふんわしますが、自分のほうに向かってくることもあり、これをさっとよけながらハンドルを回し続けなくてはなりません。ぶつかると意外と痛いし。なかなかいい運動になります。障害物のない広いところで遊べば、長時間遊んでいられるでしょう(屋内用だそうですが)。ハンドルを回し続けていると時々「がりっ」と音がして、「壊れる?」と不安になるというスリルも味わえます。
ちなみに、飛んでいる間にコードが絡まりやすいので、ドラえもんとコードの位置関係をじっくり見ながら飛ばしましょう。アマゾンのレビューにも、「コードが断線してすぐ壊れてしまった」という記述が多く見られましたが、発売元の小学館では部品の交換にも応じてくれるそうです。確かに、軽量化する必要がありますから全体的に華奢な作りとなっていますが、反射神経と動体視力を駆使して注意しながら遊べば問題ないかと思われます。
自分も楽しくて子どもも航空好きになれるものをお探しなら、このドラえもんはかなりおすすめです。あ、本もおもしろいですよ。
(岩佐 史絵)