ロシアン・ヘリコプターズは、Ka-32A11Mプロトタイプを「MAKS国際航空ショー2021(MAKS2021)」に展示します。Ka-32A11Mは、カモフKa-32型の消防ヘリコプターで、最新アビオニクスや、効率的で多機能な新消火システムを採用した近代化された仕様です。
これまでにAnsatやMi-38など民間向け多目的ヘリコプターで実証済みのグラスコクピットを新たに搭載。ヘリコプターに搭載可能なナビゲーションや捜索機器を追加でき、パイロットは暗視ゴーグルの使用も可能です。
エンジンは、Ka-32派生系で使用されたTV3-117VMAエンジンを改良したVK-2500PS-02エンジンを搭載。特に高温環境、山間部での性能が向上しています。設計上、高温、高高度の環境でも耐荷重が1,600キログラム(kg)増加しています。
消防ヘリとして重要な消火システムは、新たなSP-32を搭載。これは4つのコンパートメントに分かれ、4トンの水をタンクに搭載できます。デジタル制御の放水システムは、フラップをペアまたは交互に開き、角度調整で放水時間を長くすることが可能です。
給水ではシステムの自動化により、60秒で4トンを搭載でき、最大400リットルの泡沫剤を加えることが可能。高圧放水銃にも対応しています。さらに、消火システムのすべてが電気で加熱され、マイナス20度の極寒環境でも使用できます。
日本ではアカギヘリコプターがカモフKa-32を1機保有しており、吊下げ重量5.0トンの能力を活かし、山岳部での建設資材の輸送などで使用しています。なお、MAKS2021は7月20日(火)から7月25日(日)に開催予定です。