ルフトハンザドイツ航空は2021年6月30日(水)から、特別塗装機「Lufthansa & You」の運航を開始しました。エアバスA350-900型、機体記号(レジ)「D-AIXP」に通常ロゴ「Lufthansa」から「Lufthansa & You」へ変更。このロゴの下には「#TogetherAgain」のハッシュタグも記されています。
ルフトハンザは新型コロナウイルスの影響で減便・運休するスケジュールを徐々に便数を戻しています。航空機を使った移動が戻りつつある中、ルフトハンザは搭乗客との繋がり、搭乗者が目的地に向かう人々とのつながりをこの塗装に託しています。
これまでもルフトハンザは、通常の「Lufthansa」ロゴを変更した特別塗装機を運航しています。その特別塗装機を振り返ってみました。
■サッカーファンに捧げる「Fanhansa」
2014年にサッカー・ワールドカップ・ブラジル大会を前に、8機の「Lufthansa」ロゴを「Fanhansa」に変更。ルフトハンザの歴史上初めて、自社のロゴを変更する機会でした。
「Fanhansa」は、ドイツのサッカーファンに捧げた特別塗装機です。多くの人がブラジルに向かい、そのW杯で優勝という成績を収めたドイツ代表。選手たちのドイツ帰国時のチャーター便は「Fanhansa Siegerflieger(勝者の翼)」と記された機体が使われました。この塗装は、ドイツがワールドカップを保有していた2018年7月まで継続運航され、日本に何度も飛来しました。
2014年のW杯以降も「Fanhansa」は登場しています。2016年のUEFA欧州選手権にあわせ、ボーイング737-300型、レジ「D-ABEK」の胴体に選手たちの名前が記されました。2018年には、「Mannschaftsflieger」と記されたエアバスA321-200型のレジ「D-AISQ」が登場しています。
■「Fanhansa」特別塗装機機体記号 | 機種 | 導入日 | 退役日 | Fanhansa塗装期間 | Fanhansa種類 |
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D-ABYI | ボーイング747-8I型 | 2013-05 | - | 2014年5月〜2018年7月 | Siegerflieger |
D-ABYO | ボーイング747-8I型 | 2014-04 | - | 2014年5月〜10月 | Fanhansa |
D-ABVK | ボーイング747-400型 | 1991-04 | 2015-09 | 2014年5月〜9月 | Fanhansa |
D-AIHQ | エアバスA340-600型 | 2007-01 | 2016-03 | 2014年5月〜8月 | Fanhansa |
D-AIDG | エアバスA321-200型 | 2011-04 | - | 2014年5月〜9月 | Fanhansa |
D-AIUD | エアバスA320-200型 | 2014-03 | - | 2014年6月〜10月 | Fanhansa |
D-ABVS | ボーイング747-400型 | 1997-04 | 2020-03 | 2014年6月〜9月 | Fanhansa |
D-AIHN | エアバスA340-600型 | 2006-09 | 2016-04 | 2014年6月〜8月 | Fanhansa |
D-ABEK | ボーイング737-300型 | 1991-11 | 2016-11 | 2016年6月 | Fanhansa |
D-AISQ | エアバスA321-200型 | 2009-06 | - | 2018年6月〜7月 | Mannschaftsflieger |
■オリンピック選手に感謝「Siegerflieger」
ルフトハンザは2016年8月から12月まで、特別塗装機「Olympia Siegerflieger」を運航しました。ブラジルで開催されたリオ・オリンピックから帰国するドイツ選手団を乗せたボーイング747-8インターコンチネンタル、レジ「D-ABYK」に特別塗装が施されました。「Lufthansa」はそのまま残し、勝者の翼を意味する「Siegerflieger」を金色で記しました。「Siegerflieger」塗装としては、サッカーW杯の優勝の帰国時に使われた機体に続く2機目でした。
■利用者に感謝「5 Starhansa」
2017年には、スカイトラックス「5スター」航空会社の認定を受け、特別塗装機「5 Starhansa★★★★★」が登場しました。747-8のレジ「D-ABYM」、エアバスA320型の「D-AIZX」の2機に、5スター特別塗装が施されました。ルフトハンザを日頃、利用する搭乗客に感謝を捧げる塗装でもありました。
■投票者に感謝「Say Yes To Europe」
これまでに紹介したロゴ変更と趣旨が少し異なる特別塗装機が、2019年4月に登場した「Say Yes To Europe」です。A320、レジ「D-AIZG」に塗装が施され、半年ほどで「Lufthansa」に戻されました。この特別塗装は、長年にわたりドイツの有権者の半分以上が欧州議会選挙で投票権を行使しておらず、人々に選挙への参加を呼び掛けるメッセージが込められていました。
細かい点では、機体後方に記されているレジ番号横にドイツ国旗のみ記されていますが、この特別塗装の時期は、EU旗も並列して描かれました。
いかがでしたか?「Lufthansa」ロゴを変更する特別塗装機は、2014年以降に続々と登場しています。そして最新の特別塗装機「Lufthansa & You」も早く日本に飛来してもらいたいですね。