トランスエア737-200、ハワイで緊急着水 エンジン不調か

トランスエア737-200、ハワイで緊急着水 エンジン不調か

ニュース画像 1枚目:トランスエア 公式サイト
© Transair
トランスエア 公式サイト

ハワイで貨物輸送を手がけるトランスエアのボーイング737-200型貨物機が2021年7月2日(金)、緊急着水する事案が発生しました。ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港からマウイ島カフルイ空港に向かうT4810便として離陸した直後、左側の第1エンジンにトラブルが発生。ホノルルに戻ろうとしたものの、戻れないと判断。ダニエル・K・イノウエ国際空港より近いカラエロア空港に降りようとしたものの、辿り着けずに暗闇の中で着水に至った模様です。

乗務していた機長、副操縦士ともにアメリカ沿岸警備隊のMH-65ヘリコプターで救出され、病院で手当を受けています。アメリカ運輸安全委員会は現地に7名を送り、調査を進めます。エンジンの状態などを解明できるか、注目されます。

事故時に使用していた737-200は、機体記号(レジ)「N810TA」。初飛行は1975年7月で、機齢46年です。ボーイングから引き渡し後、パシフィック・ウェスタン航空、カナディアン航空、キャンエア、ロイヤル・アヴィエーション・エクスプレスとカナダで旅客機として使用。1999年以降に貨物機に改修され、マレーシアのトランスマイル・エア・サービスで運航後、2014年にトランスエアが取得していました。

エンジンはプラット・アンド・ホットニーのJT8D-9Aエンジンを2基搭載。少なくともこの第1エンジンに何らかの異常が発生したとみられます。JT8Dはボーイング727への搭載を目指して開発されたターボファンエンジンです。JT8D-9Aは、ボーイング737-100、または200、マクドネル・ダグラスのDC-9-30などに搭載されています。同じシリーズで少し異なる型式のJT8D-9エンジンは航空自衛隊の輸送機、川崎C-1に搭載されています。

ボーイング737-200の事故は2018年5月、クバーナ航空のCU972便が離陸直後に墜落した以来の発生です。737-200は1,110機超が製造されており、2021年7月現在の現役機は55機程度とみられます。全損の事故発生は、今回を含め122件あります。

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