航空局、国産初「空飛ぶクルマ」型式証明申請手続き開始 実用化へ一歩

航空局、国産初「空飛ぶクルマ」型式証明申請手続き開始 実用化へ一歩

ニュース画像 1枚目:有人試験機SD-03
© SkyDrive
有人試験機SD-03

国土交通省は2021年10月29日(金)、SkyDriveが開発中の「空飛ぶクルマ」の型式証明申請を受け付けたと発表しました。「空飛ぶクルマ」の型式証明申請は、日本では初めてです。型式証明申請は、航空法に基づく手続きで、安全性や環境適合性など国が審査、検査する制度で、機体の開発と並行して審査・検査が行われます。審査対象の「空飛ぶクルマ」は、SkyDriveが2025年に大阪ベイエリアで事業化を目指した機体です。

SkyDriveは2020年8月、開発拠点を置く豊田テストフィールドの屋内飛行試験場で有人試験機SD-03モデルで有人飛行試験を実施しています。この機体は1人乗りでパイロットが操縦しますが、コンピュータ制御のアシストで安定した飛行ができる機能が備えられています。電動モータでロータを駆動する方式を採用し、ロータは4カ所に配置。1カ所あたり、2つのロータが回転し、駆動力を生み出して飛行します。また、計8個のモータを採用し、電動モータ・ロータ系の一部に異常が発生してもバックアップの役割を果たし、安全な飛行継続が実現できる仕組みです。

航空局は今後、開発の進捗にあわせて、愛知県に所在する航空機技術審査センターを中心に航空機の設計・製造過程について型式証明審査を進めます。

■型式証明までの手続き
(1)適用基準の合意:適用される耐空性基準、設計の特徴に応じた特別要件を設定
(2)適合性証明計画の合意:適合性証明計画・適合性見解書
(3)図面、解析書等の検証:適合性証明計画・適合性見解書など
(4)各種試験の実施:材料試験、構造部品強度試験、全機強度試験、装備品/システム機能試験など
(5)製造過程、品質管理体制の確立・検証:適合検査
(6)飛行試験の実施:社内飛行試験 ・型式証明飛行試験

手続き上の流れで、(3)図面、解析書等の検証〜(6)飛行試験の実施は、必要に応じた変更・修正などで相互する場合もあります。一連の検証や管理体制を含む適合性の確認と耐空性の担保を確認し、型式証明が発行されます。

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