A320旅客機を貨物機に改修した世界初A320P2F、初飛行 2022年運航へ

A320旅客機を貨物機に改修した世界初A320P2F、初飛行 2022年運航へ

ニュース画像 1枚目:A320P2Fの初飛行
© Elbe Flugzeugwerke GmbH
A320P2Fの初飛行

シンガポールのセレター空港で2021年12月8日(水)、エアバスA320-200型の旅客機を貨物機に改修したA320P2F型が初飛行しました。機体記号(レジ)「D-AAES」で登録されており、改修作業はエアバスとSTエンジニアリングの合弁企業のエルベ・フルクツォイヴェルケ(EFW)が手がけています。EFWは、A321P2F、A330-300P2F、A330-200P2Fと旅客機から貨物機への改修を手がけ、新たなラインナップとしてA320P2Fを加えました。この改修機は、2022年に商用飛行を予定しています。

「D-AAES」は12月9日(木)にも飛行しており、今後数週間をかけて、飛行試験を実施します。これにより、ヨーロッパ航空安全庁(EASA)から補足型式証明(STC)を取得する予定です。

改修作業では、機体左側の前方に油圧で作動するメインデッキ用の貨物ドアを新設しています。大きさは、幅142インチ、高さ85インチです。このほか、9Gのリジット・カーゴ・バリアの設置、ナローボディULDをサポートする手動の貨物積載システムなどが搭載されています。

ニュース画像 1枚目:貨物ドア改修など旅客機から貨物機への改修作業が終了したA320P2F
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貨物ドア改修など旅客機から貨物機への改修作業が終了したA320P2F

メインデッキにULDコンテナ10個、パレット1個、下部デッキにULDコンテナ7個の貨物容量を備え、搭載量21トンの場合は3,300キロメートル(km)超、17トンの場合は4,740km超を飛行できます。この機種は、すでに運航されているA321P2F、A330ワイドボディ機ともコクピットの共通性が確保されており、運航会社はパイロットの移行などでも柔軟性を高めることができます。

なお、「D-AAES」は、STエンジニアリングの航空リース部門からVaayuグループへリースする契約が締結されています。Vaayuは計5機を導入する計画で、1機目は2022年前半に商用運航に投入される予定です。

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