エンブラエルE175-E2開発、3年間停止 スコープ・クローズの影響

エンブラエルE175-E2開発、3年間停止 スコープ・クローズの影響

ニュース画像 1枚目:E175-E2の初飛行
© Embraer
E175-E2の初飛行

ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルは2022年2月18日(金)、次世代機のE175-E2型を3年間、開発の一時停止を発表しました。エンブラエルは次世代機としてE2プログラムの開発を進めており、E175-E2はこの1機種です。80席程度を搭載する機種としてE2プログラムでは最も席数の少ない機種です。パイロット組合と航空会社の協定「スコープ・クローズ」の協議を受けた対応です。

この機種の開発は、最大市場のアメリカでパイロット労働組合と航空会社による協定「スコープ・クローズ」で現行のE175より座席数が増えるE175-E2について合意していないことを受けた開発の中断です。「スコープ・クローズ」では座席数76席、最大離陸重量(MTOW)制限を39トンとする制限が設けられています。E175-E2は座席数80席、MTOW44トンを想定した開発で、組合と航空会社の交渉がまとまらない限り、現状のままでは数多く受注するアメリカの航空会社へ納入できません。

E175-E2型は2019年12月にサン・ジョゼ・ドス・カンポスで初飛行しました。その後、エンブラエルは2021年4月にE175-E2の運用開始を遅らせ、最速で2024年と公表しました。これ以前にもE175-E2の運航開始時期を遅らせており、「スコープ・クローズ」の影響から開発が先延ばしされています。

エンブラエルは2025年ごろに開発活動を再開する計画で、これにより2027年から2028年ごろにE175-E2の運用開始に変更されています。

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