エンブラエルは2022年3月7日(月)、旅客機(P)から貨物機(F)へ改修する190型と195型の貨物専用機事業「E190F/E195F」を開始すると発表しました。拡大するeコマースへ対応する航空機として、経済性と柔軟性をEジェットで提供する狙いです。E190FとE195Fは、中古機のE190とE195旅客機から貨物専用機に改修できます。この貨物機は、2024年初めにも運航を開始する見込みです。
貨物機への改修は、メインデッキ前方にフロントカーゴドアを設置するほか、荷役システム、床補強、リジッドカーゴバリアの設置、9Gバリア、貨物室の消火設備を含む貨物煙検知システム、冷却・加圧を含む空気管理システムの変更などを実施します。ブラジルのエンブラエル施設で、1機目の貨物機改修が実施される予定です。
Eジェット貨物機は、ターボプロップとナローボディのジェット機の間にある市場を埋めることが想定されています。ターボプロップ機の貨物専用機は、ATR-72でパレット5枚搭載、9トンを輸送可能です。また、ナローボディのジェット機ではボーイング737ファミリーがあり、737-800型をベースとした機体は標準パレット11枚とハーフパレット1枚を搭載、約24トンを輸送できます。より小さい737-300Fは積載量15トンです。このため、エンブラエルは737-300F、737-400Fの更新を想定し、E190Fは10.7トン、E195Fは12.3トンの搭載量を提案しています。
エンブラエルは、現在の小型ナローボディ貨物機が老朽化し、退役が近い機材が多いと指摘。航空貨物を利用する需要が非常に高く、同日配達や分散型オペレーションなど大型機より中型機の使い勝手の良さが活かされる場面が多いと見ています。また、10〜15年が経過したEジェットは長期リースから返却され、貨物機への改修に適した中古機が供給される余地があると説明しています。