南太平洋のニューカレドニアとフィジーに挟まれた位置にあるバヌアツ共和国。この国のフラッグキャリアであるエア・バヌアツの国際線が多数運休する事態となっています。同社は現在、ボーイング737-800型機「機体記号:YJ-AV8」と、ATR-72-600型機「YJ-AV73」、ATR-72-500「YJ-AV71」の3機のみを保有。国内線とニューカレドニア、フィジーへの路線のほか、ニュージーランド・オークランド、オーストラリア・シドニー、ブリスベン、メルボルンへの国際線を運航しています。
2023年3月31日に、唯一の737で運航したバヌアツ・ポートビラからブリスベン便の到着後、機体に不具合が見つかり、4月12日現在でもブリスベンに駐機されたままとなっています。同社によると交換が必要な部品の在庫が世界的になく、ボーイング社と連携して部品を調達を行い、まもなく部品が到着する旨を明らかにしています。
「虎の子」主力機が稼働できず国際線の欠航が続くなか、地域パートナーシップを組む、ナウル共和国の「ナウル・エアラインズ」とソロモン諸島の「ソロモン・エアラインズ」から救いの手が差しのべられています。
4月2日より、ナウル・エアラインズが保有する2機のボーイング737-300型旅客機のうち、「VH-XNU」をウェットリースして運航を再開。ソロモン・エアラインズも1機しか所有していないエアバスA320-200型機「H4-SIB」を、自社便の合間を縫ってエア・バヌアツ向けに運航しています。過去にもこれら会社間で機材と乗務員を融通しあう取り組みが行われています。
この地域パートナーシップには、南太平洋諸国のフィジー・エアウェイズも加わっており、どの会社も最小限の保有機数のなか、インフラ確保のために協力し奮闘しています。