海上自衛隊と新明和工業は、2024年8月7日にUS-2救難飛行艇の1号機「機体記号:9901」の除籍セレモニーを行ったことを発表しました。同機の最終フライトは7月31日で、海上自衛隊によって神戸沖に着水し、製造元である新明和工業・甲南工場に揚陸されました。今後は、同機の部品を有効活用するとしており、同工場内で解体されるものとみられます。
US-2は、US-1の後継機として1996年から開発を開始。当初は「US-1A改」の名称が付与されていました。2003年4月に甲南工場でロールアウトし、同年12月に甲南工場沖で初飛行を実施。このとき初飛行した「US-1A改」試作1号機が、今回除籍になった「9901」です。
「9901」はその後、2007年3月に海上自衛隊・第31航空群隷下の第71航空隊(岩国航空基地)に部隊配属されて以来、約17年間活躍しました。US-2は現在までに8機が製造され、「9901」と事故で大破した「9905」を除く6機が、海上自衛隊で日本周辺海域における救難任務を実施。海洋での救難や、離島からの急患輸送などで活躍しています。
日本が世界に誇る救難飛行艇であるUS-2。その初号機として、初飛行から約21年、部隊配属から約17年、日本近海の厳しい環境下で任務を全うし、少し早い余生を生まれ故郷で送ることになります。「9901」お疲れ様でした!