性能向上エンジン「トレントXWB-84 EP」搭載のA350-900、EASA型式認証を取得

性能向上エンジン「トレントXWB-84 EP」搭載のA350-900、EASA型式認証を取得

ニュース画像 1枚目:Airbus A350-900 test aircraft powered by Rolls-Royce Trent XWB-84 EP engines.
© Airbus
Airbus A350-900 test aircraft powered by Rolls-Royce Trent XWB-84 EP engines.

エアバスは2025年4月11日、A350-900型機がロールス・ロイス製の「トレントXWB-84エンハンスト・パフォーマンス(EP)」エンジンを搭載した仕様で、欧州航空安全機関(EASA)から型式認証を取得したと発表しました。

トレントXWB-84 EPは、現行のA350-900に搭載されているエンジンの性能向上版で、ファン、圧縮機、タービンの空力設計の改善やタービンブレードの冷却性能向上などが施されています。これにより、従来比で燃料消費を約1%削減できるとされており、航空会社の運航コストや排出量の低減にもつながるとされています。

今回のEASA認証は、地上および飛行試験による広範な試験プログラムを経て取得されたもので、A350ファミリーおよびトレントXWBエンジンの継続的な性能向上を示すマイルストーンと位置づけられています。エアバスによれば、今後はアメリカ連邦航空局(FAA)による同様の認証も近く取得できる見通しとのことです。

日本では、日本航空(JAL)が国内線仕様のA350-900を運航しており、これらには「トレントXWB-75」エンジンが搭載されています。XWB-75は、トレントXWB-84をベースにしたエンジンで、日本国内の短中距離路線に適した仕様になっています。一方で、国際線仕様としては、2027年度以降にトレントXWB-84エンジンを搭載したA350-900を20機導入する計画です。

エアバスは、A350について「300~410席クラスにおける長距離運航能力を有する最新かつ最も効率的なワイドボディ機」としています。燃費や運航コスト、CO₂排出量で従来機に比べて25%の改善を実現しており、持続可能な航空燃料(SAF)の使用率についても最大50%まで対応可能です。2030年までには全機種で100%のSAF対応を目指すとしています。

A350ファミリーは、2025年3月末時点で全世界の60社から1,300機以上の確定受注を獲得しています。

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