空母リンカーン、燃料交換・大規模整備に着手できず 「財政の崖」問題

空母リンカーン、燃料交換・大規模整備に着手できず 「財政の崖」問題

アメリカ海軍はいわゆる「財政の崖」問題で、原子力空母USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)の燃料交換・大規模整備(refueling complex overhaul:RCOH)に着手できないと2013年2月8日、明らかにしました。2月6日には同様の理由でトルーマン空母打撃群の出港を見合わせています。

RCOHは寿命50年の原子力空母で生涯に1回実施するもので、核燃料の交換と複雑な分解整備を約3年かけて行います。リンカーンは23年前の1989年11月に就役したので、ちょうどRCOHのタイミングでした。

2月10日以降の週にバージニア州ニューポートニューズのハンチントン・インガルス造船所にドック入りする予定でしたが、造船所と契約ができずリンカーンはノーフォーク軍港で立ち往生しています。

アメリカ海軍はRCOHの遅れによるリンカーンの再配備計画の遅れ、続いてRCOHが予定されているUSSジョージ・ワシントン(CVN-73)への影響、造船所・産業界への影響を懸念しています。

アメリカ・オバマ政権は財政赤字の大幅削減のために、この3月から国防費を中心に今後10年間で約112兆円の強制的な歳出削減を迫られています。

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