国土交通省航空局は日本航空(JAL)、全日空(ANA)の787で発生した燃料漏れ、ブレーキ装置の一部不作動、操縦室窓のひび割れ、熱交換器からの漏洩でなどの調査結果をまとめました。
このうち、ブレーキ装置の一部不作動はANAの「JA808A」が2013年1月9日、山口空港着陸時に発生したもの。調査により、左主脚の電気ブレーキ作動用の制御装置(Electrical Brake Actuator Controller:EBAC)の内部の制御基板に取り付けられたトランジスタの破損を確認ました。
このため不作動の原因は、トランジスタが電気的に破損していたため、その制御基板の不具合が考えられますが、詳細はボーイング、部品製造者が引き続き調査をしています。また、EBAC内部のトランジスタ本体の破損について、品質向上の取組みが必要としています。
また、飛行中、操縦室の計器に不具合メッセージ表示もありましたが、乗員はマニュアルなどに基づいた適切な対応を行ったほか、逆推力装置による制動効果も含め、ブレーキシステムの構成から十分な制動能力が有り、安全に直ちに影響が及ぶ事例ではなかったととしています。
また、航空局はアメリカ連邦航空局(FAA)へ品質向上に必要な対応を要請しています。