運輸安全委員会は2013年2月22日、共立航空撮影のTU206G、機体記号(レジ)「JA3959」が、2011年10月3日午前10時08分ごろ調布飛行場へ着陸した際に前脚損傷、滑走路を逸脱して停止した事故調査の報告書をまとめました。搭乗していた機長、カメラマンの計2名は無事で、機体は中破したものの、火災などは発生していません。
直接の原因は、最初の接地後にバウンド、2回目の接地時に主脚より先に前脚が接地してポーポイズ状態となり、前脚、取付構造部などを損傷。最初の接地でのバウンドは、降下率が減少しないまま主脚が接地したための反発力、速度が十分減速されず揚力が相乗。また、ポーポイズ状態は、高くバウンドした機体を再接地させるため、機長が機首下げ操作を行い、主脚より先に前脚が接地したことが影響しているとしています。
運輸安全委員会では、機体が意図せずバウンドした場合、操縦士が機体の適切な着陸姿勢を保持できない状況で、すみやかにゴーアラウンドするよう、同社は教育、訓練を徹底する必要があると指摘。アメリカ連邦航空局(FAA)の「Airplane Flying Handbook」では、ポーポイズが深刻な状態の時、最も安全な手順は速やかにゴーアラウンドを行うことと記載。これらを受け、共立航空撮影では操縦士への徹底と再教育、新たにゴーアラウンド・ポリシーを社内規定として制定するなどの対応をしています。
なお、この事故は着陸当時、風速12ノット、最大風速20ノットで、風にあおられながら進入してきたとの目撃証言もあり、着陸操作に影響を与えやすい状況があったとしています。