運輸安全委員会、エアーニッポンの仙台での尻もち事故で報告書

運輸安全委員会、エアーニッポンの仙台での尻もち事故で報告書

運輸安全委員会は2013年9月27日、エアーニッポンが2012年2月5日に運航していた伊丹発仙台着のANA731便が仙台空港滑走路27上で発生した機体後方下部の接触事故について報告書をまとめました。この事故は、A320-200の機体記号(レジ)「JA8384」の機体後部の接触箇所が損傷しました。乗員6名、乗客160名の計166名にけがはありませんでした。

報告書では、この事故は滑走路27に接地した後、着陸復行を行い機首が急激に上昇。このため機体後方下部が滑走路に接触し、損傷したみています。機首の上昇は、衝撃が小さな接地であり、主脚が接地したと認識できないまま、機長がサイドスティックを手前、機首上げ方向に引いた状態で復行を行ったことによるとしています。

エアーニッポンを統合した全日空(ANA)ではこの事故を受け、航空機運航規程(AOM)に接地の確実な認識に関する対策を記したほか、定期訓練に低高度からの復行を組み込み、実施しています。また、引き続き「安全運航の徹底に努めてまいります」とコメントしています。

なお、報告書ではこの事故で運航乗務員が主脚の接地に気付かず、フローティングが継続していると考えて着陸の復行を行い、急激なピッチの挙動変化により機体が損傷したものとしており、過度にスムーズな接地は避ける注意喚起以外に、意図せずスムーズな接地になる場合について、機体側にも接地を確実に認識できる仕組みがあれば、再発防止に効果が期待できるとして、航空機の設計・製造者へ脚の接地を確実に認識できる仕組みの開発、導入について検討も促しています。

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