エアバス、A350最大離陸推力時の離陸中断テストを実施

エアバス、A350最大離陸推力時の離陸中断テストを実施

エアバスは2014年7月22日、最大離陸推力時の離陸中断テスト(Maximum Energy Rejected Take-Off:MERTO)をA350の初号機、MSN001で実施し、成功を収めたと発表しました。フランスのイストル空軍基地で7月19日に実施したもので、すでに実施している高推力時の離陸中断テストとあわせ、認証に向けた重要な必須のテスト項目の1つを終えました。

A350 離陸中断テスト MERTO

離陸中断テストでは離陸時の最大スピード、最大重量でブレーキが安全に作動し、機体を安全に止めることが出来るかを確認するものです。使い古したブレーキのセットを使用し、テストではブレーキシステムの能力を確認しました。

ブレーキは機体の運動エネルギーを吸収するため、停止するとブレーキパッドは明るいオレンジ色に輝き、およそ1400度にも達します。試験の要件には停止後、機体や車輪、ブレーキに何もせずに5分間、停止状態を保つことが求められ、5分後に初めて消防士などによる冷却活動を行うことができます。テストではフランス国防省の装備総局(Délégation Générale pour l’Armement:DGA)の全面的な協力を得ることが出来たとしています。

これによりエアバスはMSN001での主要なテストプログラムを終了し、MSN005など客室を装備したテスト機でルート証明を行います。これまでの飛行時間は540フライト、2,250飛行時間を記録しており、2014年第3四半期の型式証明取得、第4四半期にカタール航空への引き渡しを予定しています。

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