ブラジルのエンブラエルが開発中の新型軍用輸送/空中給油機KC-390が、2015年2月3日、1時間25分の初飛行を実施しました。機長を務めたMozart Louzada氏は「先進のフライ・バイ・ワイヤ操縦システムと新世代アビオニクスにより、容易でスムーズ、精密に飛行できた」と感想を述べました。
KC-390は、ペイロード20トンクラスのジェット双発戦術輸送/空中給油機で、世界中で使用されているC-130の後継機の座を狙っている野心作です。低価格・高品質のリージョナルジェットで実績のあるエンブラエルだけに、高コストパフォーマンスの軍用輸送機が出現すると期待されています。アメリカのボーイングと販売面での提携を結んでいます。
ブラジル空軍は、主力輸送機としてKC-390を28機発注し、アマゾンから南極にいたる広い地域の国家主権維持や科学研究支援などに使用します。また、ブラジル空軍以外からも現在32機の受注を見込んでいます。発注を決めているのはブラジルとアルゼンチン、チリ、コロンビア、チェコ、ポルトガルで、UAEとも交渉中の模様です。