エアバスDS、A400Mの試験飛行は継続 生産中の機材はライセンス停止

エアバスDS、A400Mの試験飛行は継続 生産中の機材はライセンス停止

ニュース画像 1枚目:A400M 写真はトルコ空軍に納入済
© Airbus Defence and Space
A400M 写真はトルコ空軍に納入済

エアバス・ディフェンス・アンド・スペースは2015年5月13日(水)、5月9日(土)にトルコ空軍向けのエアバスA400M「MSN23」が、スペイン・セビリアでの初飛行で墜落した事故に関連し、調査を行うスペイン国防省に対し、同社の技術顧問などが全面的に協力していると明らかにしました。

すでにブラックボックスが回収されており、エアバスDSとサプライヤー各社は、事故調査の専門的な知識、情報を提供しているとしています。

また、 エアバスDSは事故で無くなられた4名のスタッフの家族、病院に入院中の2名のスタッフとその家族に対し、適切なケアとサポートを行っているとしています。

エアバスDSはA400Mの飛行試験プログラムについて、継続するとしています。これは飛行が安全でないこと、または安全性への影響がとの証拠が発覚するまで、実施する方針です。事故後の初飛行は5月12日(火)に実施されており、エアバスDSが保有する機体記号(レジ)「EC-404」、製造番号「004」がトゥールーズを14時45分に離陸し、セビリアに1時間50分のフライトで到着しました。これは事故前から予定されていた試験飛行で、エアバスDSのフェルナンド・アロンソ社長がかつてと同じくフライトテスト・エンジニアとして乗務しました。

なお、スペイン軍の当局は5月12日、予防措置として事故調査中は、生産ラインにあり、顧客引き渡し前のA400Mについては、そのテスト飛行についてライセンスを停止すると通知しました。これを受け、同社は顧客とする各国軍と密接に協力し、この事態に対応するとしています。

セビリアのエアバスDSの最終組立ラインでは、計画通りの組み立てが進められます。また、イギリスのフィルトンで生産される主翼、ドイツ・ブレーメンでの胴体などでも同様に継続されます。

エアバスDSは現在、5機のA400M試験飛行機を保有しており、3機は試験飛行を実施、2機は退役しています。この5機でこれまで2,700フライト、7,500飛行時間を記録しています。また、引き渡し済みの機材で2,000時間を蓄積しています。

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