三菱電機とパスコ、ミリ波使用の航空機から地上へ大容量通信実験に成功

三菱電機とパスコ、ミリ波使用の航空機から地上へ大容量通信実験に成功

三菱電機とパスコは2015年7月22日、国内で初めて、航空機に40GHz帯のミリ波データリンク装置を搭載し、地上に大容量データを送信する航空機・地上間通信システムの実証実験に成功したと発表しました。

この実験は、災害発生時に航空機などが被災地上空から撮影した大容量の地上画像を、迅速、的確に復旧・救援活動の現場へ提供できるかという課題に取り組むものです。三菱電機とパスコは、撮影後から提供までの時間短縮をめざし、ミリ波を使用した大容量データの送信実験を国内で実施し、航空機から地上への大容量通信の有効性を検証・評価しました。

これにより、撮影後に要していた着陸までの移動時間、データ処理・転送にかかる時間などが省け、この通信の有効性が確認したものです。東日本大震災時には、被災地からの帰還に要していた時間は約1時間30分で、飛行中にデータ提供でこの時間を削減することが出来るようになります。

実験で三菱電機は実験計画の立案、ミリ波通信機(送受信機)の開発と機体据付、実験の実施、パスコは航空機の修理改造と無線局免許など実験環境の準備などを担当しました。実証実験は八尾空港周辺の上空、空港駐車場付近で2015年3月26日にテストと調整、3月27日に行われました。

今後は、この実証実験の成果を踏まえ、伝送速度の高速化や装置の小型化、気象条件や法環境への適合など、国内で災害発生時の実用化に向けた本格的な検討を進めていきます。また、この成果は4K、8Kなど放送素材のデータ容量が増大している放送機関の素材伝送への適用も期待されると、成果の広がりにも期待があります。

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