みずなぎの西之島観測、波浪による浸食で面積減少 火山活動は継続

みずなぎの西之島観測、波浪による浸食で面積減少 火山活動は継続

ニュース画像 1枚目:西之島、火砕丘の火口と噴気帯 9月16日撮影
© 海上保安庁
西之島、火砕丘の火口と噴気帯 9月16日撮影

海上保安庁は西之島付近の火山活動について2015年9月16日(水)、羽田航空基地所属MA722の「みずなぎ」で観測を実施、その状況を発表しました。

この観測では、8月19日時点の海岸線と比べ、波浪による浸食とみられる後退があり、面積が減少していることが分かりました。8月19日時点は約2.71平方キロメートルでしたが、2.67平方キロメートルとなっています。

火山活動は、火砕丘の火口と火口縁周辺の噴気帯から青白色から白色の火山ガスが連続的に放出されていたものの、火口から噴煙は出ていません。また、火口内に新たに小火砕丘が形成され、噴気帯には黄色の火山昇華物が分布し、溶岩は複数の流出口から、西、北東、火砕丘の東側を回り込み南西と3方向に地表を流下するなど、火山活動は引き続き継続している状態です。

観測に同乗した東京⼯業⼤学⽕⼭流体研究センターの野上健治教授は、「噴火の原動力となるガスが火口直下に溜まらなくなり、火口での噴火が極端に減少した」としつつ、「溶岩の流出は依然として続いており、噴火回数は減ったものの、火山活動は以前と大きな変化はなく活発な状態」との見方を示しています。

なお、9月16日時点の形状は東⻄は約1,950メートルで、8月19日時点の約2,000メートルから縮小、南北は約1,950メートルと8月19日時点の約2,000メートル、さらに6月18日の2,100メートルから縮小が続いています。

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