中国、南シナ海の人工島で試験飛行 ベトナムが抗議

中国、南シナ海の人工島で試験飛行 ベトナムが抗議

ベトナム外務省は、2016年1月2日、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島のファイアリー・クロス礁に造成した人工島の滑走路を使用して航空機の試験飛行を行い、ベトナムの主権を侵害したと抗議する声明を発表しました。中国はファイアリー・クロス礁を埋め立て、3,000メートルクラスの飛行場を建設しています。Reutersなど主要なメディアが報じています。

ベトナムはファイアリークロス礁周辺の領有権を主張しており、中国は信頼醸成のための協定に違反したとしています。一方の中国外務省は「飛行場施設が民間機の運用基準に合致しているか確認のため民間機を飛行させた」と飛行を認め、「中国は南沙諸島周辺において議論の余地のない主権を持っている」と抗議を突っぱねています。

アメリカ国務省も「地域の安定を損ない緊張感を高める行為は控え、外交交渉の準備を進めるべき」と懸念を表明しています。

南シナ海の島々については、海底資源の存在とともに、重要なシーレーンでもあるため中国が実効支配に躍起になっています。同地域は中国、ベトナムのほかブルネイやフィリピン、台湾も領有権を主張しており、アメリカも航行の自由が損なわれるとして人工島の造成や飛行場の建設に反対しています。

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