2016年2月14日(日)20時13分、ロンドン・ヒースロー空港からニューヨークへ向けて離陸したヴァージン・アトランティック航空VS025便のコクピットにレーザーが照射され、副操縦士が眼に不調を訴えたため、予防措置としてヒースローに引き返し、便は欠航し乗客252人はホテルに宿泊しました。BBCが報じています。
イギリスでは、2010年にパイロットを幻惑する強い光を航空機に照射することは違法行為とされ、警察が捜査に乗り出しています。レーザーの照射はパイロットの視力が一時的に失われるだけでなく、盲目にするなど眼に重大な損傷を与える恐れがあります。
2009年1月から2015年6月までに、イギリスでは8,998回ものレーザー照射が報告されており、2014年だけで1,440回、そのうち168回はヒースロー空港でのものでした。
気になる情報として、航空スポッターの間で「レーザー・タギング」という胴体にレーザーを照射する遊びが流行っており、これが広まるにつれてレーザー照射が増えてきたという指摘があります。イギリスの航空スポッターといえば、紳士的にレジを記録する人たちという印象がありますが、困った連中が増えてきたのかもしれません。
2015年11月には、ブリティッシュ・エアウェイズのパイロットが軍事用途並みの強いレーザーを受けて眼を負傷し、2014年にはイースト・ミッドランズ空港で3人の男がレーザー照射で逮捕されています。