大阪航空局は2016年3月4日、第一航空に対し、事業改善命令を行いました。運航乗務員の地上訓練の記録改ざん、安全なフラップ角を使用しない運航が認められたとしています。同社は2015年8月に粟国空港で着陸失敗し、導入間もないDHC-6-400ツインオッターが破損していました。
大阪航空局は2016年1月13日から2月16日にかけて第一航空に立入検査を行いました。この際、副操縦士養成時の地上訓練で、対象9名が規定に定められた航空法規、当該機体の操作手順の訓練を実施していないものの、訓練したように記録が改ざんされていました。うち3名は、訓練を修了、副操縦士として運航業務に従事させていました。さらに、当該訓練の教官6名に、規定に定めた訓練の評価方法などの座学教育を実施していませんでした。
機長養成の飛行訓練でも、訓練の対象者2名は、規定では那覇/粟国間で12時間を行うところ、飛行時間の長い粟国/久米島/那覇間、那覇/徳之島間で訓練を行い修了し、運航業務に従事させていましたた。
また、機長2名は、使用する航空機が滑走路長800メートルの飛行場で安全に滑走路内に停止するため、フラップを37度に設定しなければならないと認識していたものの、粟国空港で規程に従わないフラップ20度での着陸を繰り返していました。
こうした事態を受け、航空局は事業改善命令で、運航乗務員の訓練体制の抜本的見直し、安全意識の徹底とコンプライアンス教育の実施、安全管理体制の再構築を行うよう指示したものです。改善命令は、航空法第112条に基づくもので、2016年4月8日までに報告する必要があります。