ハイジャックされたエジプト航空A320が復帰、キプロス政府は経緯説明

ハイジャックされたエジプト航空A320が復帰、キプロス政府は経緯説明

キプロス政府は2016年3月29日(火)、エジプト航空のMS181便、機体記号(レジ)「SU-GCB」のA320がハイジャックされた件について、経緯を発表しました。ラルナカ空港でハイジャック犯との交渉は、警察、防衛、警備隊などのほか関係省庁が対応に当たりました。

ハイジャック犯との対処は、人質とされたすべての乗客の安全を最優先とし、難しい交渉だったとしています。危機対処チームが、事前の訓練を受けて組織され、警察がその主導的な役割を果たし、エジプト政府と情報を共有しながら対応にあたりました。

今回の事件は、当初からテロ行為に関連していないことは明らかであったとしています。また、キプロス政府は犯人はマークされた危険人物でなく、精神的に安定していないことを早い段階で気づいたと述べています。キプロスへの着陸後は、人質の解放を目指した交渉が始まり、徐々に人質解放につながりました。

交渉の最終段階で、ハイジャック犯は燃料を補給し、キプロスからイスタンブールに向かわない場合は自爆すると主張し、危険な状態となりました。この要求は、即座に燃料補給は出来ない旨が伝えられ、全ての乗客の解放と人質を傷つけずに解放することが犯人自らの人権を尊重した対応がとられる唯一の策と伝えられました。

犯人逮捕に至る最終段階で、機長と乗務員は機体から逃れ、犯人も要求が実行されることはないと観念し最後のイギリス人の乗客を解放しました。犯人が降機する際、逃亡を図ったものの、警察が逮捕しました。

また、爆発物を巻いているとされていましたが、調査でこれが偽物であったと断定されました。機内には他に爆発物がないことも確認されています。なお、キプロス政府は犯人について、精神状態が通常で無かったことは明らかとし、ヨーロッパでのテロ発生などとは全く関係がないとも強調しています。

ハイジャックされたA320の「SU-GCB」は3月30日(水)にカイロに帰着し、すでに通常の定期便に投入されています。

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